コロンビア大統領選——「トランプ支持者」対「人権活動家」の決選投票へ
6月21日の第2回投票、ゲリラ対応と社会政策が最大争点
コロンビア大統領選挙の第1回投票が行われ、極右候補アベラルド・デ・ラ・エスプレイヤが44%、社会民主主義者のイバン・セペダが41%を獲得した。14人が争った今回の選挙でいずれも過半数に届かなかったため、この2人による決選投票が6月21日に実施される。セペダ陣営と現職大統領グスタボ・ペトロ(セペダと同党)は「選挙が操作された」として結果の承認を留保しているが、具体的な証拠は示されていない。
「トランプ流」か「対話路線」か
両候補の最大の対立軸は、コロンビア国内で依然として活動するゲリラ組織への対応策だ。弁護士・実業家のデ・ラ・エスプレイヤ(47歳)は、武装勢力への強硬姿勢を打ち出し、政府とゲリラの間で続く和平交渉を打ち切ると主張している。政治経験は乏しく「アウトサイダー」を自認するが、コロンビア元大臣の側近として知られた人物でもある。その元大臣は現在、ベネズエラのマドゥロ大統領のために資金洗浄をしたとして米国で服役中だ。デ・ラ・エスプレイヤは超大型刑務所10棟の建設や一般市民への銃携帯許可なども公約に掲げ、米国のトランプ大統領への傾倒も公言している。
一方、人権活動家出身のセペダ(63歳)は、ゲリラとの交渉継続を支持し、高所得者への増税で社会プログラムを拡充する方針だ。コロンビア共産党の指導者として暗殺された父を持ち、自身は亡命先のチェコやキューバで育ち、ブルガリアで学んだ。その過程で共産主義に幻滅し、社会民主主義の立場を固めていったという。2010年以降は議員・上院議員を歴任した政治のベテランだ。
暴力の影が選ぶ民意を揺さぶる
選挙戦を通じて、コロンビア特有の暴力の問題が社会に重くのしかかっている。ゲリラ組織によるドローンや爆発物を使った民間人への攻撃は選挙期間中も続き、先月はバスへの攻撃で民間人21人が死亡する事件も起きた。政治家も標的となっており、右派の大統領候補が昨年頭部を銃撃されて死亡、セペダ陣営の副候補が今年2月に誘拐されるなど、選挙そのものが暴力の脅威にさらされている。
決選投票では、中間層票の取り込みが鍵を握る。第1回投票で7%を獲得した右派保守のパロマ・バレンシア候補はデ・ラ・エスプレイヤへの支持を早々に表明しており、その票が流れ込めば同候補が優位に立つとみられる。コロンビアの政治的方向性を左右する重要な選択が、3週間後に迫っている。欧州に暮らす日本人にとっても、ラテンアメリカの政治的分極化や安全保障の行方は、国際情勢を読む上で無視できない動向だ。
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情報源: NRC
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