メインコンテンツへスキップ
ワッデン海での塩採掘、条件付きで継続許可へ――自然団体は法的措置も辞さず
政治・行政 読了 2分

ワッデン海での塩採掘、条件付きで継続許可へ――自然団体は法的措置も辞さず

世界自然遺産の海底で採掘拡大、「手をハンドルに」原則が歯止めとなるか

この記事をシェア ✓ コピーしました

ユネスコ世界自然遺産に登録されたワッデン海の海底で、塩の採掘を拡大することをオランダ内閣が条件付きで認める方針を固めた。対象となるのは採掘会社フリジア(Frisia)が申請していたバラストプラート沖での事業拡大で、経済気候省が設計許可(ontwerpbesluit)として発表した。地元フリースラント州や自然保護団体ワッデン協会などが許可阻止を訴えてきたが、今回の決定はそうした声を退える形となった。

「2035年の壁」をかろうじて越えた申請

ワッデン海は干潮時に広大な干潟が現れることで知られる世界でも類を見ない自然環境であり、2024年には採掘規制を強化する鉱業法改正が行われた。2035年以降、この海域での新規採掘は認められない見通しだが、フリジアの申請はその改正直前に提出されており、今回の許可方針はその経緯を踏まえたものとなっている。フリジアはすでに同海域での採掘許可を持っていたが、今回はその枠を超えた増産を求めていた。

採掘に関する審査にあたり、経済気候省は鉱山監督機関(SodM)などに意見を求めた。SodMは「条件を満たせば安全に拡大できる」と判断。採掘で生じる地下空洞の安定性を維持するため、フリジアは生産中から空洞を収縮させる管理手法を提案し、採掘期間も2052年まで延長することでリスクを分散させる計画を示している。

「手をハンドルに」原則と残る懸念

今回の設計許可には「手をハンドルに(hand aan de kraan)」と呼ばれる原則が適用される。地盤沈下が堆積物の自然補填(砂や泥の流入)で吸収できる範囲を超えた場合、採掘を「直ちに停止」しなければならないと義務付けるものだ。海面上昇も勘案した上で、地盤変動の許容限度を設定することが条件として盛り込まれている。

しかしワッデン協会のフランク・ペテルセン氏はNOSの取材に「自然環境が悪化し、海面上昇がますます加速しているなかで、確実に自然を損なうと分かっている採掘をいま承認するのは、どれだけ慎重にやっても慎重さが足りない」と語り、強い懸念を示した。同協会が特に注目するのはバラストプラートを利用する渡り鳥の問題で、ペテルセン氏によれば数百万羽の鳥が干潮時にこの干潟で採食しており、地盤沈下によって干出面積が縮小すれば生態系に直接打撃を与えるという。自然保護団体側は今後、設計許可に対して正式な意見書(zienswijze)を提出する機会を持つ。内閣はそれらを踏まえて最終許可を判断するが、ワッデン協会は正式決定が下りた場合は法的措置を取る可能性を明言している。

オランダ社会へ問われる「保護」の意味

一方、フリジアの広報担当者は「省の顧問たちがワッデン海での慎重な採掘に信頼を寄せてくれたことをうれしく思う。わが社にとって非常に重要な決定だ」とコメントし、歓迎の意を示した。ワッデン海をめぐっては、過去にグロニンゲンでのガス採掘が地盤沈下・地震被害を引き起こした教訓もある。世界自然遺産の指定区域内での資源採掘を認めるこの決定は、経済的利益と自然保護の間でどこに線を引くのかというオランダ社会の問いを改めて浮き彫りにしている。

情報源: NOS Algemeen

この記事をシェア ✓ コピーしました

📩 無料メールニュース

明日のオランダニュースも、メールで読みませんか?

毎朝、その日のニュース要約と音声版(ポッドキャスト)が
メールで届きます。無料です。

無料で購読する

関連ニュース