オランダ上院がEU難民協定を承認、6月12日から全加盟国で発効
否決された国内緊急法と重なる6項目、移民行政への影響は大きい
オランダ上院は5月、EU移民・難民庇護協定(いわゆる「EUアサイラム・パクト」)の批准を賛成43票、反対30票(1名欠席)で可決した。下院はすでに承認済みであり、今回の上院通過により国内の立法手続きはすべて完了。協定は6月12日よりEU全加盟国で同時に発効する。
協定が義務付ける主な変更点
パクトの核心は三つある。第一に、EU外部国境での新規入国者に対する迅速なスクリーニングの実施。第二に、滞在資格のない人々の早期送還の義務化。そして第三に、EU域外の「安全国」での難民申請処理を加盟国が選択できる仕組みの導入だ。あわせて、移民局(IND)が申請の審査にかけられる期間に6ヶ月の上限が設けられる。
この期限に対応するためINDは、6月12日以降に受理した新規申請を優先して処理する方針を示している。その結果、現在すでに審査待ち状態にある約5万件の既存申請者は、さらなる待機を強いられる見通しだ。また、すべての新規到着者をフローニンゲン州のテル・アペルに集中させる新たな登録制度が導入されることで、定員2,000人に対してすでに約10%超過している同センターへの圧力がいっそう高まると懸念されている。
否決された国内法との接点
今回の協定承認は、国内政治とも複雑に絡み合っている。先月、PVV出身のファーバー前難民担当相が主導した国内緊急難民法が議会で否決されたばかりだが、公共放送NOSの報道によれば、同法に盛り込まれていた9項目のうち6項目がEUパクトの内容と重複している。つまり、否決された措置の一部が、EUの枠組みを通じて事実上復活する形となる。
現在の難民担当相であるキリスト教民主主義党(CDA)のバルト・ファン・デン・ブリンク氏は、否決後も独自の追加措置を進める姿勢を崩しておらず、具体的には犯罪で有罪判決を受けた申請者の迅速な送還と、INDが審査期限を超過した際に科される罰則の廃止の二点を新たに議題に乗せようとしている。
在蘭日本人・生活者への影響
在蘭日本人が直接、難民申請手続きと関わるケースは限られるが、テル・アペルや各地の受け入れ施設をめぐる社会的緊張、ならびに移民行政全般への負荷増大は、オランダ社会の政治・治安・住宅問題にも間接的な影響を及ぼしうる。とりわけ、既存申請者の待機長期化は人道的な問題として市民社会でも議論が続いており、今後の政策動向を注視する必要がある。
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情報源: DutchNews
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