コロナ禍の政策判断を問い直す――オランダ議会調査委員会、47名の審問へ
1.5メートル規制、ワクチン、夜間外出禁止令…あの決断は正しかったのか
オランダの議会がいま、コロナ禍という「国民的トラウマ」に正面から向き合おうとしている。パンデミック期の政策決定を検証する議会調査委員会(parlementaire enquête)が今週金曜日から本格的な審問を開始し、当時の意思決定に関わった47名が順次尋問を受ける。1.5メートルの社会的距離規制、ワクチン接種プログラム、夜間外出禁止令——あの時代を象徴する政策判断のひとつひとつが、改めて公の場で問い直されることになる。
誰が証言台に立つのか
審問の口火を切るのは、ウイルス学者のマリオン・コープマンス氏と元医療相のブルーノ・ブラウンス氏だ。コープマンス氏はパンデミック初期から政府の科学的助言を担った中心人物のひとりであり、ブラウンス氏はコロナ危機の初動対応を指揮した政治家として知られる。両者の証言は、科学的助言と政治判断がどのように絡み合っていたかを解き明かす鍵になるとみられている。NRCの政治記者オスカー・フェルメール、ステファン・フェルメーレン、ピム・ファン・デン・ドールの3名は同局のポッドキャスト番組「ハーグの問題(Haagse Zaken)」の中で、「支配的な立場にいた医師たちと猛烈な速さで拡大するウイルスが国全体を、そしてハーグを恐慌状態に追い込んだ」と当時の雰囲気を振り返っている。
委員会内部の混乱という影
ただし、この調査委員会自体も平坦な道を歩んできたわけではない。かつて複数いた委員はすでに全員が離脱しており、現在は委員長だけが残る異例の体制で審問に臨む。フォン・ハウウェリンゲン氏やフォン・ハーハ氏といった委員の立場が問題視されたことが内部危機の発端とされており、委員会の正当性そのものを問う声も上がっていた。そうした混乱を乗り越えての審問開始は、それだけに象徴的な意味を持つ。
オランダ社会が得られる教訓
議会調査委員会は、単なる「事後検証」にとどまるものではない。将来の感染症危機や緊急事態に際して、政府がどのように意思決定すべきかという制度設計の議論に直結する作業だ。疫学者のヤープ・ファン・ディッセル氏は「このウイルスは何度も戻ってくると思う」と述べており、次の危機への備えという観点からも審問の行方が注目される。在蘭日本人にとっても、ロックダウンや外出制限が日常生活を一変させたあの時期の政策の是非が公式に検証されることは、オランダ社会への理解を深める上で見逃せない動きといえる。審問は今後数週間にわたって続く見通しだ。
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情報源: NRC
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