メインコンテンツへスキップ
テルアペル、6月12日から唯一の難民申請センターに — 混乱懸念が噴出
政治・行政 読了 2分

テルアペル、6月12日から唯一の難民申請センターに — 混乱懸念が噴出

EU移住協定の新制度導入で集中が加速、約5万人の審査待ちにも打撃

この記事をシェア ✓ コピーしました

オランダ北東部の小村テルアペルに、難民申請者がさらに集中しようとしている。6月12日からEU移住協定(ユーロパクト)に基づく新しい申請システムが導入されるが、移民・帰化局(IND)は技術的な移行作業があまりにも大規模だとして、当面はテルアペル1か所のみで運用することを決めた。これまで申請者の一部を受け入れてきたブデルへの振り分けは一時停止される。関係機関や地元自治体は、移行期間中の局所的な混乱を強く懸念している。

「1か所集中」が招くリスク

テルアペルが属するウェスターウォルデ市のヤープ・ヴェレマ市長は「移住協定の実施について市として懸念がある」と明言した。これまでの政府方針は、慢性的に収容超過状態のテルアペルを負担軽減するため申請センターを増やすことだったが、今回の措置は逆行するものだ。難民申請者受け入れを担う中央機関(COA)も「1か所への集中は脆弱性を高める」と指摘し、ブデルの継続利用を求めて当局との協議を続けていると表明した。

一方、INDは過度な悲観論をけん制する。同局は「入所が増えた場合は十分な規模の対応が可能」と述べ、テルアペルの過密問題の根本原因はCOAが申請者を他地域に移送できない点にあると主張している。施設の混雑と審査プロセス自体の混乱は切り分けて考えるべきだというのがINDの立場だ。

約5万人の「審査待ち」に波及する影響

新制度には、在蘭の申請者にとって見逃せない規定がある。EU協定の規定により、INDは申請受理から6か月以内に決定を出す義務を負うことになった。この期限を守るため、INDは新規申請を優先処理する方針を採る。しわ寄せを受けるのが、現在も審査を待ち続けている約5万人の申請者だ。

COAは「決定を長く待っている人よりも新しく来た人が先に結果を得るという状況は、居住者の心理的負担や施設内の緊張を生みかねない」と懸念を示す。移民・庇護担当のファン・デン・ブリンク大臣の報道官は、今回の改革は「非常に抜本的な転換」であり、実施機関への負担は大きいと認めつつも、「6月12日の開始から短縮された期限内に申請を処理できるよう全力を尽くす」と述べた。既存の待機者を減らす努力も続けるが、優先順位の選択は避けられないとも付け加えた。

長期的な効果と短期的な痛み

EU移住協定そのものは、長期的には手続きの迅速化と入国管理の秩序化をめざすものだ。申請の見込みが低い人々を(半)閉鎖施設で待機させる仕組みや、EU域外の安全な第三国で審査を完結させる制度なども盛り込まれている。関係機関も、中長期的には現在の混雑緩和につながることへの期待を示している。

ただし「起動コスト」は小さくない。オランダ社会では難民受け入れをめぐる議論が政治的にも敏感な状況にある中で、移行期間中の混乱は世論の不信感をさらに高めかねない。テルアペルに近い地域に住む在蘭日本人にとっては直接的な生活への影響は限られるが、オランダ全体の移民政策の転換点として、今後の展開を注視する価値がある。

情報源: NOS Algemeen

この記事をシェア ✓ コピーしました

📩 無料メールニュース

明日のオランダニュースも、メールで読みませんか?

毎朝、その日のニュース要約と音声版(ポッドキャスト)が
メールで届きます。無料です。

無料で購読する

関連ニュース