性風俗業の最低年齢を21歳に引き上げへ――17年越しの政策、今度こそ実現なるか
全国統一規制を目指すファン・ウェール法務大臣、「ポン引き禁止」導入も検討
オランダ政府が、性風俗業に従事できる最低年齢を現行の18歳から21歳へ引き上げる方針を明らかにした。背景にあるのは、脆弱な若者が強制的に性産業へと引き込まれるケースへの懸念だ。ファン・ウェール法務大臣は声明の中で、「脆弱な性風俗労働者をより手厚く保護することは連立協定でも合意済みだ。できる限り早急に年齢制限を引き上げたい」と述べた。
17年越しの課題、これまでの経緯
この問題は決して新しいものではない。最低年齢の引き上げをめぐる議論は2009年から続いており、歴代の政権が幾度となく立法を試みてきた。2009年には当時PVV所属の議員フルール・アヘマが、いわゆる「ラバーボーイ( loverboy)」と呼ばれる男性に18歳の誕生日を迎えた直後に性産業へ勧誘される若い女性を守るため、最低年齢の引き上げを提案した。この案は当時のバルケネンデ政権末期に暫定法務大臣ヒルシュ・バリンが引き継いだものの、最終的に立法化には至らなかった。
最も具体化に近づいたのは2019年の試みだ。このとき政府は性風俗労働者に21歳以上であることの証明を求める義務登録制度の導入を検討したが、性風俗従事者の代表団体からプライバシー侵害であるとの強い批判を受け、法案は上院で否決された。
全国統一へ、新たな規制パッケージ
今回の方針が過去の試みと異なるのは、年齢制限だけにとどまらない複合的なアプローチを打ち出している点だ。ファン・ウェール大臣は、違法な性風俗業から収益を得ることを刑事犯罪とする措置に加え、「ポン引き禁止(pimping ban)」の導入を検討していることを明らかにした。これは、弱い立場にある性風俗従事者を食い物にする悪質な関与者を取り締まることを狙ったものだ。
なお、アムステルダム市はすでに独自の市条例で21歳制限を導入・施行しており、今回の方針はこれを全国規模に拡大する形となる。首都での先行事例があることは、今後の立法議論において一定の根拠となりうる。
在蘭日本人への影響と社会的な含意
今回の政策変更は、直接的には性風俗産業に従事する、あるいは従事を検討する18〜20歳の若者に影響する。一方で、より広いオランダ社会にとっては、長年の懸案がいよいよ立法化に向けて前進するかどうかという試金石でもある。プライバシー問題という過去の壁をどう乗り越えるかが具体的な法案設計の鍵となる。在蘭日本人にとっても、オランダの性産業規制の枠組みや若者保護の法的整備は、社会理解として知っておく価値のあるテーマといえる。
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情報源: DutchNews
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