オランダ政治への信頼、過去最低を更新――「下落は続いている」とCBS
下院への信頼は25%、政治家への信頼は21%まで落ち込む
オランダ中央統計局(CBS)が5月12日に公表した調査によると、2025年に下院議会(第二院)を「非常に」または「かなり」信頼すると答えた15歳以上の割合は約25%にとどまり、2012年の調査開始以来の最低値を更新した。2012年時点では36%超だったことを踏まえると、13年間で10ポイント以上の落ち込みとなる。政治家個人への信頼度も約21%と、計測が始まった2016年の27%超から一貫して下がり続けている。
コロナ禍のピークを経て、下落が加速
信頼度はコロナ禍に一時的に上昇したものの、2022年以降は再び低下に転じた。CBSの主任社会学者タニャ・トラーフ氏は「危機のときは政治家が解決策を持っているという感覚から、人々はより多くの信頼を置く傾向がある。その後に戻るのは一般的な現象で、2008年の金融危機後も同様だった」と説明する。ただし、今回は下落が止まらない点が異なると同氏は強調する。2024年時点でも下院への信頼は31%超、政治家への信頼は25%超を維持していたが、わずか1年でそれぞれさらに数ポイント低下した。「民主主義が直ちに崩壊するわけではないが、長期的なトレンドになれば深刻だ。これは政治へのシグナルだ」とトラーフ氏は述べた。
地方・EU・公務員への信頼は逆に上昇
対照的なのが、地方機関への評価だ。地方議会(gemeenteraad)を信頼する割合は2022年の約51%から54%超へと上昇し、公務員への信頼も42%超から47%超に増加した。EUへの信頼も同様に上向いている。トラーフ氏はその背景について「公務員や地方議会は国の議会より身近に感じられる。また国政レベルでは問題点が大きく報道される一方、地方の取り組みはあまり注目されない」と分析する。信頼の低下が最も顕著なのは国の北東部の地域と65〜75歳の年齢層だ。一方、15〜25歳の若年層は政治機関への信頼が相対的に高く、トラーフ氏は「若者がまだ経験値が少なく、政治を比較的穏やかな目で見ているからだ」と解説する。年齢を重ねるほど、蓄積された否定的な経験が信頼を少しずつ侵食していくという構造が見えてくる。オランダに暮らす日本人にとっても、生活に直結する地方行政や公務員への信頼がむしろ高まっている点は注目に値する。国政への不満が高まる中でも、身近な行政サービスへの評価が維持・向上していることは、日常生活の安定という観点では一定の安心材料となるだろう。
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情報源: NRC
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