ボックス3違法課税、期限内に異議申し立てなければ補償は受けられない
政府は数十億ユーロの支払い回避か――資産課税をめぐる長年の争いに区切り
オランダ政府にとって、長年頭を悩ませてきたボックス3問題でようやく明るい兆しが見えてきた。違法とされた資産課税に対して期限内に異議申し立てを行わなかった納税者には補償を支払わなくてよい可能性が高まっており、これが確定すれば政府は数十億ユーロにのぼる補償支払いを免れることになる。
ボックス3問題とは何か
ボックス3とは、預貯金や株式などの資産に対してオランダが課してきた税制の区分である。この制度では実際の運用利益ではなく、「みなし収益」に基づいて課税が行われてきた。しかし、実際の運用利益がみなし収益を大きく下回るケースも多く、納税者から「実態と乖離した不公平な課税だ」との批判が長年続いていた。オランダ最高裁は2021年12月、このボックス3課税が欧州人権条約に違反する「違法」なものであるとの判断を下し、以降、補償のあり方をめぐる議論が続いてきた。
「申し立てをしなかった人」は対象外へ
今回焦点となっているのは、所定の期限内に税務当局へ異議申し立て(ベズワール)を提出しなかった納税者の扱いだ。オランダでは課税処分に異議がある場合、一定期間内に正式な申し立てを行う必要がある。この手続きを踏んでいない納税者については、たとえ課税が違法であったとしても補償の対象外となる方向が濃厚となっている。ADの報道によれば、この判断が確定した場合、政府は多額の補償負担を回避できる見込みだ。
在蘭日本人への影響と今後の注目点
オランダに居住し、預貯金や投資資産を持つ日本人にとっても、ボックス3は無縁ではない。過去にボックス3課税を受けた経験がある場合、異議申し立ての有無が補償を受けられるかどうかの分かれ目となる。すでに申し立てを行っていた納税者については引き続き補償の可能性が残るが、手続きをとらなかった人々については事実上の救済が閉ざされる形となる。
政府にとっては財政上の大きな懸念が和らぐ一方、「違法な課税を受けながら手続きを知らなかっただけで補償を得られない」という不公平感を訴える声も出てくるとみられる。今後、司法や議会でさらなる議論が続く可能性もあり、引き続き動向を注視する必要がある。
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情報源: AD
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