NPO、2027年ユーロビジョン不参加を正式決定——イスラエル問題で欧州に広がる亀裂
400人超の職員が抗議、組織内外の対立が不参加の引き金に
オランダの公共放送NPOは、2027年のユーロビジョン・ソングコンテストにオランダ代表を派遣しないことを正式に発表した。理事会議長のイェット・デ・ラニッツ氏は「十分な支持基盤を見つけることができなかった」と述べ、現時点での参加は時期尚早との判断を示した。大会はブルガリアの都市ブルガスで開催される予定で、昨年はブルガリアのアーティスト、ダラが「Bangaranga」でウィーン大会を制している。
職員400人超の抗議と、揺れる組織内部
今回の不参加決定の背景には、イスラエルのガザへの軍事侵攻が続くなか、ユーロビジョンへのイスラエルの参加を認めることへの強い反発がある。NPOのメディア担当ディレクター、ユーレ・ボスマン氏は「イスラエルの参加がさまざまな反応を呼び、議論と分断をもたらしていることは以前から認識していた」と語る。こうした状況を受け、NPO職員400人以上が抗議書簡を組織に送付し、参加決定のプロセスへの疑問とイスラエル参加への異議を公式に表明した。
もともとオランダのユーロビジョン参加を担ってきたAVROTROSは、昨年8月に「参加国の一つが大規模な軍事紛争に関与しているいま、このイベントはもはや中立ではない」として2年連続の辞退を表明。これを受けNPOは、複数の放送局による共同プロジェクトとして代表派遣を試みたが、最終的に各局間での合意形成が成立しないまま、今回の断念に至った。
EBUは「遺憾」、アイルランドも不参加へ
ユーロビジョンを主催する欧州放送連合(EBU)はNPOの決定を「遺憾」としながらも尊重する意向を示し、「現在、同フェスティバルをめぐって深く根ざした誠実な意見の相違が存在することは理解している」と述べた。一方でEBUは、ユーロビジョンが「分断された世界における統一の場」であるとの立場を維持しており、NPOとその加盟局・視聴者が適切と判断した時期に、オランダの参加を改めて歓迎すると強調した。
アイルランドでも同様の動きが起きており、公共放送RTÉが「ガザでの衝撃的かつ継続的な人命の喪失と人道危機を鑑みれば、アイルランドの参加は正当化できない」として不参加を表明。さらにアイルランドはNPOと異なり、ユーロビジョンの放送自体も行わない方針を決定している。
在蘭生活者への影響と今後の展望
オランダ在住の日本人ユーロビジョンファンにとって、大会そのものをオランダのテレビで楽しむことは引き続き可能だ。法律上、大型の国内外イベントの中継を担う義務を持つNOSが、オランダ語の実況・解説つきで放送を継続する予定だからだ。ただ、自国代表の出場を応援するという体験は、少なくとも2027年は叶わない。NPOはEBUとの対話を続けるとしており、参加再開の時期は今後の情勢次第となる。イスラエル問題をめぐる欧州の放送局間の分断は、音楽イベントの枠を超えた問いを社会に投げかけ続けている。
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情報源: NOS Algemeen


