渡米100年、デ・クーニングがライクスでレンブラントと並ぶ
ニューヨーク郊外のアトリエから現代絵画の巨匠を辿る
ロッテルダムの少年がアメリカへ渡ったのは、いまからちょうど100年前のことだ。ウィレム・デ・クーニング(1904–1997)は貨物船に乗り込み、新大陸へと向かった。その後彼が歩んだ軌跡は、20世紀の現代絵画史と深く交差することになる。抽象表現主義の旗手として知られるデ・クーニングは、ジャクソン・ポロックらと肩を並べ、ニューヨークを戦後アートの中心地へと押し上げた立役者の一人だ。
レンブラントと同じ壁に飾られる日
この渡米100周年を記念して、アムステルダムのライクス美術館が動いた。10月9日から、同館はデ・クーニングの作品を常設コレクションのレンブラントやフェルメールと並べて展示する企画展を開始した。オランダが生んだ「古典の巨匠」と「現代の巨匠」を同じ空間に置くという試みは、デ・クーニングの芸術的な地位を改めて問い直す機会ともなっている。ライクス美術館がオランダ近現代の作家をこれほど正面から取り上げるのは珍しく、国内外のアートファンから注目を集めている。
アトリエが語る創作の現場
NRCはこの節目に合わせ、ニューヨーク郊外に残るデ・クーニングのアトリエを訪ねる音声ルポを制作・公開した。ジャーナリストのメルレイン・スホーネンボームが現地を訪問し、画家の創作空間をリポートするポッドキャスト形式のコンテンツで、声の収録と編集はヤン・パウル・デ・ボントが担当している。アトリエはニューヨーク郊外のロングアイランドに位置し、デ・クーニングが晩年を過ごした場所としても知られる。現地の空気感や空間のディテールを音で伝えるこのルポは、展覧会とあわせてデ・クーニングという画家の全体像に迫る試みといえる。
在蘭日本人にとっての鑑賞機会
アムステルダムに暮らす日本人にとって、この企画展はデ・クーニングの作品をまとめて見られる貴重な機会だ。ニューヨークの主要美術館に分散しているコレクションをオランダで鑑賞できるだけでなく、レンブラントという「オランダ絵画の原点」と対比しながら作品を見るという体験は、現地ならではの視点を与えてくれる。展示はライクス美術館で開催中のため、週末のアムステルダム訪問の際にぜひ立ち寄ってみたい。渡米100年という節目が、海を越えた二つの「オランダの才能」を結びつけている。
広告掲載にご興味のある方は こちら
情報源: NRC


