赤十字、路上の家族支援が増加——「社会の安全網に穴」
子ども連れで路上に立つ母親たち、ハーグでも相次ぐ
子ども連れで路上に立つ母親——これは遠い国の話ではない。オランダ赤十字は最近、こうした家族の支援件数が増加していると公表した。特にハーグでは、幼い子どもを抱えた母親が住む場所を失い、路上に立たされるケースが相次いでいる。赤十字のスタッフが直接現場に出向き、保護にあたっているという。
「セーフティネットの穴が広がっている」
赤十字は、若者・母子家庭・家族を含む路上生活者からの相談が増え続けていると強調する。同組織は「社会的なセーフティネットの穴がますます大きくなっている」と警鐘を鳴らしており、従来は想定されていなかった層——とりわけ子ども連れの家族——が支援の最前線に現れるようになっていると説明する。行政の支援制度からこぼれ落ちた人々を受け止める役割を、赤十字のような民間の支援団体が担わざるを得ない状況が生まれている。
子どもたちが直面する現実
路上生活の影響は、大人だけにとどまらない。赤十字によれば、ホームレス状態に置かれた子どもたちは「状況を半分しか理解できないまま」その現実を生きているという。日常のルーティンや安定した住まいを失うことは、子どもの心身の発達に深刻な影響を与えうる。学校への通学が途絶えるケースや、精神的な不安を抱える子どもも少なくないとみられる。
在蘭日本人にとっての視点
オランダは充実した社会保障制度を持つ国として知られているが、今回の報告は、その制度が必ずしも全ての人を救えているわけではないことを示している。住宅不足が深刻化するなか、家賃高騰や賃貸市場の競争激化が脆弱な立場の家族を直撃している構図が浮かび上がる。在蘭の日本人にとっても、住宅事情は身近な課題だ。ビザや在留資格の関係で行政支援を受けにくい外国人家族が、同様のリスクにさらされる可能性は否定できない。赤十字の警告は、オランダ社会全体に対して制度の見直しを促すものとなっている。
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