ADE第30回、女性DJたちがスポットライトを浴びる
30年の歴史を経て、ダンスシーンにジェンダーの変革が訪れつつある
今週、アムステルダムは巨大なダンスフロアへと姿を変える。世界最大級の電子音楽の祭典、アムステルダム・ダンス・イベント(ADE)が、今年で第30回目を迎えたからだ。クラブ、倉庫、運河沿いの会場など、街のあちこちでビートが鳴り響き、国内外から無数のアーティストとリスナーが集まる。
「男性中心」の壁を越えて
長らくダンスミュージックの世界は、男性が主導権を握る業界として知られてきた。ラインナップに並ぶ名前の大半は男性DJであり、女性がブッキングされる機会は限られていた。しかし今年のADEでは、数百人の女性アーティストがラインナップに名を連ねており、業界のジェンダーバランスに確かな変化が生じていることがうかがえる。
この変化の背景には、長年にわたる草の根の活動や、業界内外からの意識改革の積み重ねがある。NOSのポッドキャスト「De Dag」では、そうした流れの中で活躍する2人の女性DJが、自身の経験を率直に語っている。1人目はOlive Anguz。今回がADE出演2度目という彼女は、ダンスシーンに飛び込んだ頃の緊張感や、女性として舞台に立つことの意味を語る。もう1人は、全30回のADEに皆勤してきたベテランDJのIsisだ。30年間のシーンの変遷を間近で見てきた彼女の言葉には、業界の「過去」と「今」が凝縮されている。
ドキュメンタリーが問うジェンダー不平等
ポッドキャストでは、電子音楽業界におけるジェンダー不平等をテーマにしたドキュメンタリー映画「Her Sound」の映像も取り上げられている。ブッキングの格差、報酬の違い、そして女性アーティストがキャリアを築く上で直面する構造的な障壁——「Her Sound」はそうした問題を正面から掘り下げた作品だ。ADE第30回という節目の年に、このドキュメンタリーが注目されていることは象徴的でもある。
在蘭日本人にとってのADE
ADE期間中、アムステルダム市内の主要な会場は連日深夜まで活況を呈する。在住の日本人にとっても、世界トップクラスのDJによるパフォーマンスを間近で体験できる貴重な機会だ。と同時に、今年のADEが提起するジェンダーをめぐる議論は、音楽業界にとどまらず、オランダ社会が多様性とインクルージョンをどう実践していくかという、より大きな問いにもつながっている。
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情報源: NOS Algemeen


