欧州で記録的熱中症死、オランダも1,200人超の過剰死亡——人為的気候変動との直接関係を研究者が結論
2026年夏は史上最も致死的な季節に。若年層の犠牲者増加も深刻な課題として浮上
2026年の夏は、ヨーロッパ史上最も致死的な季節として記録されることになりそうだ。インペリアル・カレッジ・ロンドンとロンドン衛生熱帯医学大学院の研究者らが発表した分析によると、6月から8月にかけての3か月間で、欧州30か国・854都市において5万人以上が熱波による過剰死亡を記録したと推計される。これは、これまで記録的な猛暑として知られた2022年や2003年の夏をも上回る規模だ。
オランダでも史上初の「コードレッド」、1,200人超の死亡超過
オランダ国内では、6月下旬の極端な熱波が特に甚大な被害をもたらした。国立気象研究所(KNMI)は史上初めて熱波に対してコードレッド(最高警戒レベル)を発令。国立公衆衛生・環境研究所(RIVM)は、この夏に通常の想定よりも約1,200人多い死亡者を確認している。RIVMの広報担当者は「英国の研究結果に驚きはない。特に最初の猛暑週には死亡者数の明確な増加が見られた」と述べており、死亡原因は直接モニタリングしていないものの、熱が主因である可能性が非常に高いとしている。
若年層にも広がる被害、気候変動との直接的なつながり
これまで熱中症の犠牲者は高齢者や基礎疾患を持つ人が中心とされてきたが、今夏の状況は様相が異なる。英国の研究者らによると、死者の最多は85歳以上の高齢者層であった一方、20〜44歳でも800人超が死亡し、若年層への影響が際立った。オランダ国内でも死亡者のうち約180人が64歳未満であり、RIVMは「もはや周囲の弱者を気にかけるだけでなく、自分自身の健康にも注意を払うよう、幅広い市民に呼びかける必要がある」と方針の転換を示唆している。
研究者らはこの大規模な被害の背景に、温室効果ガスの排出を主因とする人為的な気候変動があると明言する。今夏、対象都市の平均気温は1991〜2020年の基準期間と比べて平均2.4度高く、個々の日には最大7.3度もの偏差を記録した。こうした気温上昇はほぼ全面的に人間活動に起因するとされており、今夏の過剰死亡全体の65%が気候変動に直接起因すると結論付けられている。RIVMは「これほどの高温は、これまでどこか遠い将来の話とされてきた。今夏、それが現実のものとなった。多くの分野はまだ十分に備えができておらず、今後こうした気温が繰り返される中で、準備態勢の整備が急務となる」と警鐘を鳴らしている。在蘭日本人にとっても、今後の夏に向けた熱中症対策や医療機関・介護施設との連携の見直しは、他人事ではなくなってきている。
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情報源: NRC


