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冬時間の方が体内時計に合う——EU、時間制度の最終決断へ
政治・行政 読了 2分

冬時間の方が体内時計に合う——EU、時間制度の最終決断へ

カナダの研究が示す健康リスク、2027年初頭に欧州が結論

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毎年恒例の時計の針を動かす作業が、今年で最後になるかもしれない。欧州議会は2019年、夏時間と冬時間の切り替え廃止を決議した。しかし「廃止した後、どちらの時間を永続採用するか」という問いに各加盟国が合意できず、制度変更は棚上げになったままだ。そこに一石を投じたのが、カナダの研究者チームによる新たな分析である。既存の科学文献を広くレビューした結果、冬時間(標準時)の方が人体の生物学的リズムに沿っており、健康上のリスクが低いという結論が導き出された。

体内時計と「日の出の時刻」という公衆衛生問題

人間の体内時計は、目から入る光のシグナルを手がかりに、24時間強のサイクルで睡眠・覚醒リズムや各種身体機能を調整している。朝の光が遅くなれば、体は「まだ夜」と判断したまま社会的な活動時間に引きずり出されることになる。研究チームはこれを「公衆衛生上の問題」と位置付け、過去に時間制度を変更した国々のデータも検証した。ロシアは2011年に永続的な夏時間を導入したものの、暗い朝への市民の不満が高まり、わずか3年後に撤回した経緯がある。

体内時計のズレが慢性化すると、睡眠障害や疲労感にとどまらず、肥満・2型糖尿病・心疾患などのリスク上昇につながることも複数の研究で示されている。また、朝の日照不足は光療法の逆効果をもたらし、冬季うつを悪化させる可能性がある。さらに注目すべきデータとして、アメリカのタイムゾーン内で西端に住む人々——つまり太陽の動きと時刻のズレが最も大きい人々——では、自殺率がわずかながら有意に高いという知見も報告されている。

オランダへの影響と2027年の決断

ライデン大学医療センター(LUMC)の時間生物学者ローラ・ケルヴェゼー氏は、「カナダの多くの地域はオランダと同じ緯度にあり、研究の適用可能性は高い」と評価する。もしオランダが永続的な夏時間を採用した場合、冬の4か月間は午前9時半まで日が昇らない状態が続く。同氏は「その慢性的な光不足が眠気と長期的な健康問題を引き起こす」として、永続的な標準時(冬時間)の採用を支持する立場を示している。なお同氏は「冬時間」という表現よりも「標準時」という呼称の方が、ネガティブな印象を与えにくいと指摘している。

欧州委員会は現在、切り替え廃止に向けた複数のシナリオについて追加調査を進めており、2026年末に結果を公表、2027年初頭に最終決定が下される見通しだ。在蘭の日本人にとっては、時差感覚や冬の体調管理に直接関わる話でもある。今回の時計の切り替えが本当に最後となるのか、そしてどちらの時間が「永遠の標準」となるのか——欧州の判断が注目される。

情報源: NRC

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