「カタレヤにとって何が最善か」――元カップルが猫の所有権を巡り法廷へ
ニャーとも言えぬ猫を巡り、アルメロの裁判所が揺れた30分
オランダ東部の都市アルメロの裁判所に、児童裁判所さながらの緊張感が漂った。ただし争われていたのは子どもの親権ではなく、一匹の猫の行方だ。元交際相手の男女が、共に暮らしていたころから飼っていた猫「カタレヤ」の所有権を巡り、仮処分申請という法的手段に打って出た。AD紙がこの異色の法廷劇をユーモアを交えて報じた。
30分の口論、そして裁判官の一言
法廷に持ち込まれたのは、別れた後も解決しない「ペットの帰属」という、実は珍しくない問題だ。男性側は「カタレヤを手放したくない」と主張し、女性側は「返してほしい」と真っ向から対立した。双方が感情をぶつけ合う約30分の口論の末、担当のファン・ディッヘレ裁判官が口を開いた。「カタレヤにとって何が最善なのですか」――その問いかけは、まるで親権争いを裁く児童裁判官の言葉そのものだった。記事はこの場面を「カタレヤ自身には『ニャー』と言う権利すらない」と皮肉たっぷりに締めくくっている。
ペットは「物」か「家族」か
オランダの民法上、ペットは依然として法的には「物(zaak)」として扱われる。つまり原則として、購入証明書や登録情報など所有権の証拠がものを言う世界だ。しかし実態として、ペットをめぐる離別後の法的紛争はオランダでも増加傾向にあるとされ、裁判官が「当事者双方の感情」や「ペットの福祉」にまで言及せざるを得ない場面も出てきている。今回のファン・ディッヘレ裁判官の発言は、そうした現実を図らずも映し出した形だ。
在蘭日本人にとっても他人事ではない
日本人の間でもオランダで犬や猫を飼うケースは少なくなく、パートナーと別れた際のペットの扱いは盲点になりやすい。購入時のレシート、マイクロチップの登録名義、獣医の診察記録といった書類が、いざというときの所有権証明に直結する。「一緒に育てた」という感情的な絆だけでは、法廷では通用しないのがオランダの現実だ。カタレヤの件は笑い話で済まされがちだが、共同生活を送るすべてのペット愛好家にとって、改めて「もしも」を考えさせる一幕でもある。
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情報源: AD


