親密さを求めながら拒絶する――恋愛の「交際前」段階を妨げる恐怖型愛着とは
外向性や自己肯定感より重要だった、知られざる愛着スタイルの影響
「ふさわしい相手にまだ出会えていないだけ」――交際がなかなか始まらない人がよく口にするこの言葉を、心理士でありマッチメイキングの専門家でもあるリセロッテ・フィッサー氏は、苦笑いとともに退ける。「一日に何十人もの人と接しているのに、その中に『運命の人』がいないとどうしてわかるの?」と彼女は問う。問題は相手ではなく、自分自身の心理にあるかもしれない——そう考えた彼女は、2014年、47歳のときにオープン大学での博士研究をスタートさせた。12年の歳月を経て今年9月、フィッサー氏はついて論文審査を通過した。
「3ヶ月の壁」に注目した研究
フィッサー氏が特に着目したのは、恋愛の初期アプローチが終わってから正式な交際に至るまでの「深い関係構築段階」だ。オンラインデートの研究では第一印象や外見的な魅力が主な関心事となり、長期的なカップル研究では安定した関係の維持がテーマになる。しかし「出会いから約3ヶ月」という段階——初期の高揚感が落ち着き、同棲や子どもといった人生の大きな議論が始まる手前の時期——は、ほとんど研究されてこなかった。
フィッサー氏は自身のマッチメイキング事務所に登録した27歳から96歳までの婚活希望者に研究への参加を呼びかけ、2,000人超のデータを収集した。心理的な質問票で性格・自己肯定感・愛着スタイルなどを測定し、15ヶ月後に「3ヶ月以上の交際を開始できたか否か」を調べて両グループを統計的に比較した。
「常識」を覆した愛着スタイルの発見
驚くべき結果が出た。外向性、新しい経験への開放性、情緒の安定性、自己肯定感といった、これまで恋愛成功の鍵とされてきた性格特性は、この「3ヶ月の壁」段階では交際成否にほとんど影響しなかったのだ。フィッサー氏は最初、データの誤りを疑ったという。しかし対象者が30代以上の婚活経験者であることを踏まえると、納得のいく結果だったと振り返る。「彼らはすでに何度も自分自身と向き合ってきた人たちです。若い学生とは違い、外見的な第一印象だけに左右されにくい」。
代わりに交際成否を強く左右していたのが、「恐怖型愛着スタイル(fearful attachment)」だった。愛着スタイルとは、他者との情緒的な結びつきの築き方のパターンで、幼少期の養育経験が影響するとされる。恐怖型愛着を持つ人は、親密さを強く求める一方で、実際に相手が近づくと不安や不信感が生じ、関係を遠ざけようとする。結果として、相手が距離を置けば引き寄せ、近づけば押し返す——いわゆる「プッシュ&プル」の繰り返しが生じる。
フィッサー氏はこの行動が交際前段階において特に深刻な影響を与えると指摘する。その理由として挙げるのが「予測不可能性」だ。相手にとって、前日は温かかったのに翌日は冷たくなる相手との関係を続けることは非常に難しい。一般によく知られる「回避型(bindingsangst=結合回避)」や「不安型(verlatingsangst=見捨てられ不安)」と異なり、恐怖型はこの二つの次元どちらにも高いスコアを示す——つまり、他者への不信と関係への強い渇望が同時に存在する、より複雑なパターンだという。
在蘭日本人にとっての示唆
異国での生活においては、言語や文化の壁もあり、新たな人間関係や恋愛関係の構築が一層難しく感じられることも多い。フィッサー氏の研究が示すのは、「なぜ恋愛がうまくいかないのか」を考える際に、外見や性格を磨く努力だけでなく、自分の愛着パターンを見直すことが重要だという視点だ。「私たちは恋愛において、本当に重要でないことに気を取られ、大切なことを見失っている」とフィッサー氏は言う。恐怖型愛着のパターンはカウンセリングや心理療法を通じて変化させることが可能だとされており、まず自分の愛着スタイルを知ることが、関係構築への第一歩になりうると彼女は強調する。
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情報源: NRC


