EU予算交渉、欧州各国の選挙圧力で難航――ル・ペン氏がブリュッセルに乗り込む
2026年合意を目指す欧州理事会、極右台頭と各国利害の板挟みに
EUの首脳たちがブリュッセルに集まり、2028年から2034年にわたる新たな欧州予算の枠組み、エネルギー価格の高騰、そしてウクライナへの追加財政支援について協議を行った。だが議論の場に、いま一つの「圧力」が影を落としている。2026年から2027年にかけて予定されるスペイン、フランス、ポーランド、イタリアという主要4か国での選挙が、交渉の行方を大きく左右しかねない状況になっているのだ。
ル・ペン氏、ブリュッセルに乗り込む
なかでも最大の注目を集めているのが、2027年4月予定のフランス大統領選だ。世論調査でトップを走るのは、極右政党「国民連合(RN)」を率いるマリーヌ・ル・ペン氏。彼女はフランスのEUへの拠出金を大幅に削減するよう求めており、ウクライナへの財政支援にも明確に反対している。「フランスは巨大な財政赤字を抱えており、資金はまず国内に向けるべきだ」というのがその主張だ。
ル・ペン氏は首脳会議の前日、ブリュッセル市内のホテルで欧州メディアを集めた記者会見を開いた。EU加盟国の首脳として会議には出席できないものの、その存在感は交渉テーブルにまで届いた。彼女は「1年後、EUは全く違う姿になっているかもしれない」と述べ、EU懐疑派勢力の拡大を示唆した。また、スペインで第3党に位置する極右政党「ボックス(Vox)」との連携を深めており、今回の会議に合わせてRN党首のジョルダン・バルデラ氏がスペインのVox党首と会談するなど、欧州各国の極右勢力の協調が進んでいる。
2026年合意という「野心的な目標」
こうした政治的地殻変動を見据え、欧州理事会のアントニオ・コスタ議長は、予算が発効する2028年より1年早い2026年中の合意を目指すという方針を打ち出した。各国選挙、とりわけフランス大統領選が交渉を根底から覆す前に決着をつけようという狙いだ。
ただし、この「前倒し合意」の見通しは楽観視できない。EU予算交渉では毎回、ドイツやオランダのような純拠出国がコスト削減を求め、純受益国が予算拡充を要求するという構図が繰り返されてきた。今回も例外ではなく、各国の主張は依然として隔たっている。イタリアのジョルジャ・メローニ首相は「期限に間に合わせるためだけに、不利な合意に署名することはしない」と明言しており、早期妥結への懐疑論は根強い。
マクロン氏を追い詰める「民主的スキャンダル」論
交渉を一層複雑にしているのが、フランスのマクロン大統領が置かれた立場だ。任期末を迎えるマクロン氏には、残り少ない時間内に26か国と合意を取り付けようとするか、後任の判断に委ねるかという二択が突きつけられている。前者を選べば、その内容がル・ペン氏ら政治的対立勢力の批判材料になるリスクがある。後者を選べば、強硬なEU懐疑派が次期政権を握った場合に交渉が根本から覆される危険がある。
ル・ペン氏はすでにマクロン氏をけん制し、「選挙直前に合意することは民主的スキャンダルだ」と主張している。在蘭日本人にとって直接的な影響は見えにくいかもしれないが、EU予算の行方はオランダの農業・エネルギー・社会政策への補助金配分にも直結する。交渉の動向は引き続き注視が必要だ。
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情報源: NOS Algemeen




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