米国、ICC全体に制裁発動——ハーグの裁判官たちはどうなるのか
2年にわたる密着取材が捉えた、国際司法への圧力の実態
米国政府は先週金曜日、ハーグに拠点を置く国際刑事裁判所(ICC)の組織全体を対象とした制裁措置を発動すると発表した。これまでの制裁が特定の個人や部門を標的としていたのとは異なり、今回はICCという機関そのものを丸ごと対象に含む異例の措置だ。裁判官や検察官、職員ら全員が制裁リストに載る可能性があり、国際司法の根幹を揺るがしかねない事態として、法律家や外交関係者の間に緊張が走っている。
2年間の取材が捉えた「緊張の高まり」
NRCの調査報道記者ロミー・ファン・デル・プールとリネケ・ニーバーは、約2年にわたってICCを集中的に取材してきた。複数の内部関係者と定期的に接触する中で、両記者は今回の発表に至るまでの緊張の高まりをじかに感じ取ってきたという。制裁発表を受けてNRCが公開したポッドキャストでは、ニーバーが「ICCの職員たちはずっと、こうした事態が起きる可能性を念頭に置きながら働いてきた」と語っており、現場関係者の間では今回の展開が突然の驚きではなかった側面もあることがうかがえる。
制裁が具体的に何を意味するかは、まだ全容が明らかになっていない部分も多い。ただ、裁判官個人が米国の制裁リストに掲載された場合、米国内の資産凍結や渡航禁止、さらに米国企業・金融機関との取引禁止といった措置が課される可能性がある。ICCの職員が私的に米国系の銀行口座を保有していれば、その運用が制限されるリスクもある。オランダに居住しながら国際機関に勤務するという立場の複雑さが、あらためて浮き彫りになった形だ。
ハーグ・オランダへの波紋
ICCはオランダ政府との間でホスト国協定を結んでおり、ハーグはいわゆる「国際法の都」として多くの国際機関を抱えている。今回の制裁がICC職員の日常業務や身分保障にどう影響するかについて、オランダ政府は現在対応を検討中とみられるが、公式見解はまだ示されていない。専門家の間では、ホスト国としてのオランダが米国の制裁措置にどこまで対抗または調整できるか、その法的・外交的な余地が問われている。
ハーグで生活する在蘭日本人にとっても、この問題は対岸の火事ではない。ICCをはじめとする国際機関は、地域経済や多文化コミュニティの重要な一翼を担っており、その機能不全は地域社会全体に波及しうる。また、国際法の番人とも呼ばれるICCへの圧力は、ルールに基づく国際秩序全体の信頼性という、より大きな問いをも提起している。日本もICCの加盟国として、この動向を注視する立場にある。
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情報源: NRC




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