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D66、「子ども優先法」を提案――児童虐待疑いで親の同意なく48時間以内に聴取
政治・行政 読了 2分

D66、「子ども優先法」を提案――児童虐待疑いで親の同意なく48時間以内に聴取

アイスランド発「バーナフース・モデル」を軸に、子どもの声を守る仕組みへ

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オランダの連立与党D66は、児童虐待に対する制度的な壁を取り除く「子ども優先法(Kind-eerst-wet)」の立法提案を公表した。提案者は下院議員のマレイケ・シンハーフェとハンネケ・ファン・デル・ウェルフの両氏。深刻な虐待の兆候が認められる場合、親や保護者の同意を得ることなく子どもと速やかに面談できる仕組みの整備を求めている。現時点では関係機関や市民団体が意見を提出できる公開協議の段階にあり、寄せられたフィードバックをもとに最終的な法案が下院へ提出される見通しだ。

「聞いてもらえなかった」子どもたちの声

法案提出の背景には、近年相次いだ深刻な虐待事件がある。北部の町スタッズカナールで少女が長期にわたり拷問を受けた事件、南部フラールディンゲンで里子が重篤な虐待を受けた事件――いずれのケースでも、子ども自身や周囲からのサインが適切に受け止められなかった。シンハーフェ議員は「被害者たちから直接話を聞いた。誰にも耳を傾けてもらえなかったと語る声が多かった」と述べ、制度の抜本的な見直しが急務だと訴える。子どもオンブズマン(Kinderombudsman)など専門機関も長年、虐待疑惑の場面で子どもの声がより重視されるべきだと主張してきた経緯がある。

現行法の下では、福祉・医療の専門家が子どもに接触する際は、原則として親または保護者の同意が必要とされる。例外的に同意なしで対応できる規定も存在するが、適用要件が複雑で実際にはほとんど活用されていないのが実情だ。加害者が親である場合など、そもそも同意を求めること自体が子どもをさらなるリスクにさらしかねないという矛盾を、この法案は正面から解決しようとしている。

「バーナフース」モデルとは

法案が核心に置くのは、アイスランド語で「子どもの家」を意味する「バーナフース(Barnahus)モデル」だ。医療・児童福祉・司法・安全保障などの専門家が一つのチームを組み、子どもに寄り添った環境で多職種が連携しながら聴取・支援を行う手法で、すでに北欧をはじめ多くの国で導入されている。法案では、通報から48時間以内にこの専門チームが子どもと面談し、保護・支援・必要に応じた刑事対応の計画を策定することを義務付ける。対象は、公的な青少年ケアを受けているかどうかにかかわらず、すべての子どもとされている。

シンハーフェ議員は、新たな仕組みが関係機関の業務負担を増やすのではないかという懸念に対し、「むしろ機関同士の連携が深まり、子どもや家族への支援がより迅速になる」と反論する。施設への引き離し(uithuisplaatsing)が増えるわけでもないとも強調しており、家族支援と子どもの安全確保を両立させる観点からも有効だと主張している。

在蘭日本人にとっての意味

日本でも児童虐待対応における「親の同意」問題は議論が続いているが、オランダが今回示したアプローチは、行政・医療・司法の縦割りを横断する多職種連携の好例として注目に値する。在蘭日本人家庭がオランダの子育て支援制度と接点を持つ場面も少なくなく、この法案が成立すれば、虐待の疑いが生じた際の対応フローが大きく変わる可能性がある。法案は現在、公開協議を経て修正される見込みであり、今後の議会審議の行方が注目される。

情報源: NOS Algemeen

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