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2600万ユーロの売却を断ったフェイエノールドの賭け——リードという名の20歳の核心
社会 読了 2分

2600万ユーロの売却を断ったフェイエノールドの賭け——リードという名の20歳の核心

AZに2-0で勝利し首位浮上。若きディフェンダーが示した「育てる」哲学の正しさ

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10月11日の土曜夜、ロッテルダムのデ・クーペで行われたAZ戦。フェイエノールドが2-0で勝利し、エールディヴィジの首位の座を奪い取った。その試合でひときわ目を引いたのが、背番号をつけた20歳のディフェンダー、ヒファイロ・リードだ。後半立ち上がりのAZシュートを体を張ってブロックし、鋭いカウンターの芽も摘む。さらに終盤の数分間にも疲れを見せずに前線へ駆け上がり、チームに「もう一枚の攻撃枚数」をもたらした。試合終了のホイッスルが鳴ると、リードは十字を切った。

「2600万ユーロ」を蹴った理由

今夏、イタリアのASローマがリードに2600万ユーロ(約43億円)の移籍金を提示していたことは、テクニカルディレクター(TD)のデヴィ・リゴーが9月初めにNRCなど複数のメディアとの取材で明かした。バイエルン・ミュンヘンやマンチェスター・シティも注目しているとされるほどの逸材だ。しかしリゴーはそのオファーをはねのけた。「チームは買うものではなく、作るものだ」——この言葉が、クラブの意思決定を端的に表している。

財政的には苦しい判断だった。フェイエノールドの2025-26年度決算(金曜に公表)によれば、純損失は1260万ユーロ、営業損失は2570万ユーロに達している。それでも売却を拒んだのは、リゴーがクラブ分析の結果として「フェイエノールドには複数シーズンにわたって在籍し、チームの骨格となる『長期定着選手』が不足している」と判断したからだ。その欠如こそが、ライバルPSVとの差が広がり続けた根本原因だとリゴーは見ている。

攻守にわたる「多機能性」

AZ戦のデータが、リードの価値を数字でも裏づけた。ボール奪取回数はチーム最多の6回(Optaによる)。ドリブル突破も4回試み、右サイドから何度も縦に仕掛けてチャンスを作り出した。同サイドを組む右ウイングのアニス・ハジ・ムッサが内側に絞って左足でシュートや縦パスを繰り出せるのも、リードが外のスペースを広げる動きを怠らないからだ。コーチのジョヴァンニ・ファン・ブロンクホルストは「バックとして内外どちらから上がるか、そのタイミング把握が格段によくなった」と語る。

今季は8試合で5アシストを記録し、得点にも絡み続ける。昨季は長期のハムストリング負傷で戦列を離れたが、今季は12試合連続でフル稼働。ユング・オランイェ(オランダU-20代表)での3試合も含めてプレーし続けたことで、「フィジカルが一段と強くなった」とファン・ブロンクホルストは評価する。副キャプテンという肩書きも、ピッチ内外でリードが担う役割の重みを示している。昨年のU-19欧州選手権では主将としてスペインとの決勝で決勝ゴールを決め、オランダを頂点へ導いた。

在蘭日本人にとってのエールディヴィジ観戦スポット

リードを中核に据えたフェイエノールドの首位浮上は、単なる一試合の結果にとどまらない。「育てる」哲学の下で構築されたチームが、短期の財政的利益より長期の競争力を選んだ結果として現れたものだ。オランダに住む日本人サッカーファンにとっても、デ・クーペでの観戦はシーズン後半に向けてますます見逃せなくなりそうだ。次に若きディフェンダーがピッチで十字を切る瞬間を、ぜひスタジアムで目に焼き付けてほしい。

情報源: NRC

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