ロシア、ICC判事ら9名の引き渡しをオランダに要求——所長に赤根智子氏も
プーチン逮捕状への関与を理由に欠席裁判で有罪判決、日本政府は強く反発
ロシアの検察当局がオランダ政府に対し、国際刑事裁判所(ICC)の関係者9名の身柄引き渡しを正式に要求した。対象には日本人のICC所長・赤根智子氏も含まれており、日本政府が強い反発を示すなど、国際社会に波紋を広げている。
プーチン逮捕状を「理由」にした欠席裁判
ICCはウクライナ侵攻をめぐり、ロシアのプーチン大統領が「占領下のウクライナからの子どもの不法移送」という戦争犯罪に関与したとして逮捕状を発行。同時に、ロシアの子どもの権利担当委員であるマリア・リボワ・ベロワ氏に対する逮捕状も発付している。これに反発したモスクワの裁判所は2025年12月、赤根氏ら9名を欠席裁判で有罪とし、禁錮3.5年から最長15年の刑を言い渡した。今回の引き渡し要求は、その判決を根拠とするものだ。
ICCはハーグ(オランダ)に本部を置く国際機関であり、加盟国であるオランダがロシアの要求に応じる法的根拠はない。ロシア自身はICCの管轄を認めておらず、そもそもICC設立条約であるローマ規程の締約国でもないため、この要求は法的実効性を欠くとみられている。
日本政府も「受け入れられない」と反発
赤根氏の母国である日本政府はただちに反応した。松野官房副長官(当時)は「ICCに関係する個人を標的とした措置は不当かつ受け入れられない」と述べ、明確に遺憾の意を示した。赤根氏はICCの現職所長として国際刑事司法の中枢を担っており、日本にとっても外交上の重大案件として受け止められている。
一方、国際的な文脈でICCへの圧力が高まっているのはロシアだけではない。米国もガザでの戦争犯罪疑惑に関するICCの捜査を理由に、赤根氏を含むスタッフ13名に制裁を科している。ロシアと米国という立場の異なる大国が、それぞれ別の理由でICCの幹部を標的にしている構図は、国際刑事司法の独立性という観点から深刻な問題を提起している。
オランダと在蘭日本人コミュニティへの意味
ICCの所在地であるオランダにとって、この問題は単なる外交摩擦にとどまらない。ハーグは「国際法の都市」として多くの国際機関を擁しており、その信頼性の維持はオランダの国家的利益とも直結する。オランダ政府が引き渡し要求を拒否することは確実視されているが、ロシアがこうした要求を公式に発したこと自体が、国際秩序への挑戦として受け止められている。
在蘭日本人にとっては、同じ日本人がICCの最高責任者としてこうした政治的圧力の中心に立たされているという事実は、他人事ではない。ICCを取り巻く国際情勢は今後も緊張が続く見通しであり、ハーグに暮らす日本人コミュニティにとっても注視すべき動向といえる。
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情報源: DutchNews




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