米トランプ政権、ICCに包括制裁——ハーグ本部を擁するオランダは真っ向反発
「石一つずつ守る」とイェッテン首相、外相も「好ましくないエスカレーション」と批判
トランプ政権が国際刑事裁判所(ICC)に対し、これまでで最も踏み込んだ制裁を発動した。米国務長官マルコ・ルビオ氏は声明の中で「この無法な裁判所との取引を禁止し、その資源を断ち、機能を麻痺させる」と宣言。金融・IT関連サービスを含む米国企業・組織との取引が全面的に遮断される見通しで、ICCの日常業務に深刻な影響を及ぼす可能性がある。
初めて「機関そのもの」が標的に
トランプ政権はこれまでにも、ICCの現・元職員13人を個人として制裁対象に指定し、裁判所を「brick by brick(レンガ一つずつ)」解体すると公言してきた。しかし今回は機関そのものを直接狙ったもので、制裁の射程は格段に広がる。ICCはオランダ・ハーグに本部を置き、戦争犯罪や人道に対する罪を裁く常設の国際法廷として、現在も複数の捜査・訴追手続きを進めている。米国はICCの設立条約であるローマ規程に参加しておらず、従来から「自国民への管轄権行使を認めない」として批判的な立場をとってきた。
オランダ政府、「石一つずつ守る」と対抗
ICCの所在国であるオランダにとって、この制裁は外交上の正面衝突を意味する。制裁発表に先立ち、ロブ・イェッテン首相は「オランダはICCを石一つずつ守る」と表明。外相のトム・ベレンズセン氏も「今回の制裁は好ましくない新たなエスカレーションだ。この新たな一歩を深く遺憾に思う」と声明で批判した。オランダはICCの宿主国として施設・安全保障面での協定を結んでおり、裁判所の機能維持に対して政治的・法的な責任を負う立場にある。米国からの経済的圧力とICCへの国際法上の義務の板挟みという、難しい外交的局面を迫られることになる。
ノーベル平和賞との偶然の交差
皮肉な偶然も重なった。制裁の発表と同じ日、南アフリカの法律家ナビ・ピレイ氏がノーベル平和賞を受賞した。ピレイ氏はICCおよびハーグの国際司法裁判所(ICJ)で判事を務めた人物だ。一方、トランプ大統領は今週初めの記者会見で「自分は8つの戦争を終わらせた」として、ノーベル平和賞に値すると主張していたと報じられており、今回の受賞発表とのコントラストが際立った形となった。在蘭日本人にとっても、ハーグという生活圏に直結した国際機関が米国の制裁下に置かれる事態は、日常レベルで無関係とは言い難い。ICCを支える国際秩序の行方は、今後のオランダ外交の試金石となるだろう。
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情報源: DutchNews




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