有事に備え「民間予備要員」13万人——オランダ議会が4年以内の育成を要求
AIVDが第二次大戦以来最高水準のリスクを警告するなか、市民防衛力の強化へ
オランダ議会は今週、大規模危機の発生時に警察・軍・緊急サービスを支援する「民間予備要員(Civilian Reservists)」を4年以内に13万人育成するよう政府に求める動議を、過半数の賛成で可決した。動議を提出したのは中道キリスト教民主主義政党CDAで、政府もこの目標を共有すると表明している。
軍人ではなく「市民の緩衝役」
民間予備要員はあくまでボランティアであり、軍隊への編入は想定されていない。その役割は、災害発生直後の混乱が最も深刻になりやすい最初の72時間に、緊急・治安サービスだけでは対処しきれない状況を補うことだ。訓練は技術・物流・警備の3分野に絞られており、整備士やドライバー、警備員といった職業スキルを持つ人材が想定されている。議会は財政支援ではなく、国防省の訓練施設や教室を無償開放する「現物支援」を政府に求めている。
育成目標の13万人という数字は、昨年から民間ボランティアの訓練を始めた非営利組織「De BurgerReserve」の長期目標と一致する。同組織はフフトの国家訓練センターで2日間の研修コース(費用は雇用主や個人が負担)を実施しており、最後には模擬災害演習が行われる。今年これまでに約1,000人が修了しているが、4年で13万人を達成するには年間3万人以上の訓練が必要となり、現状との差は大きい。
戦後最高水準のリスクという警告
この動議の背景には、急速に高まる安全保障上の懸念がある。オランダ情報機関AIVDは、サイバー攻撃やAIを活用したインフラへの攻撃リスクが急拡大しているとして、「第二次世界大戦以来、最も高いリスク水準にある」と警告を発している。政府はすでに今冬、各家庭に72時間分の非常用備蓄を呼びかけるパンフレットを配布しており、2月の調査では全世帯の半数が備蓄を実践していると回答した。
一方で、社会・文化計画局(SCP)のカレン・ファン・アウデンホーフェン=ファン・デル・ゼー局長は、時事番組「Nieuwsuur」で現状の課題を指摘している。2027年予算では地域・コミュニティ向けに4,000万ユーロが計上されているが、その後2年間は2,000万ユーロに半減する見通しだ。「社会の強靭性という点では、私たちにはまだ取り戻すべき遅れがある」と彼女は述べた。
在蘭日本人にとっての意味
オランダに暮らす日本人にとっても、今回の動議は決して他人事ではない。72時間備蓄の呼びかけはすでに全世帯に向けられており、民間予備要員の訓練コースも国籍に関わらず参加できる可能性がある。安全保障環境の変化に伴い、オランダ社会全体が「個人と地域コミュニティの防災力」を改めて問い直す局面を迎えている。日常的な備えの見直しを、この機会に検討してみてはいかがだろうか。
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情報源: DutchNews




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