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政治・行政 読了 2分

EU予算交渉が山場へ――南・東欧の「割引廃止」要求にオランダが猛反発

「スーパーの割引じゃない」――拠出国と受取国、対立が鮮明に

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EU予算をめぐる交渉が、大詰めの局面を迎えている。加盟国は大きく「純拠出国」と「純受取国」に分かれ、毎回の多年度財政枠組み(MFF)交渉のたびに対立を繰り返してきた。今回もその構図は変わらず、南欧・東欧諸国が共同書簡を通じて予算の大幅増額と、富裕加盟国が享受する拠出割引(リベート)の廃止を求めたことで、オランダ側の怒りに火がついた。

「世界知らずで不快だ」――オランダ側の反発

問題の書簡はポーランドやスペインなど複数の南欧・東欧諸国が連名で署名したもので、EU予算の増額とともに、オランダをはじめとする純拠出国が長年にわたって享受してきたリベート制度の撤廃を明確に求める内容だ。これに対してオランダ政府・与党関係者は「世界知らず(wereldvreemd)で不快(stuitend)だ」と、異例に強い言葉で批判。リベートはEUへの貢献が相対的に大きい国への正当な調整措置であり、一方的に廃止できるものではないとの立場を崩していない。

受取国側もひるまない。「割引はスーパーでもらうもの(Korting krijg je in de supermarkt)」という言葉が書簡や関係者の発言の中で飛び出し、リベート制度を痛烈に皮肉った。EU予算を「加盟国全体への投資」と位置づける受取国にとって、一部の加盟国だけが負担を軽減されることは原則上受け入れがたいという論理だ。

リベートとは何か――制度の経緯と現在地

リベート(korting/rebate)制度は、かつて英国が自国のEU拠出額が多すぎるとして交渉・獲得した「英国リベート」を原型とする。ブレグジット後も、オランダ、ドイツ、オーストリア、スウェーデンなど複数の純拠出国がそれぞれ一定の割引を受けてきた。オランダにとってこの制度は、毎年数億ユーロ規模の財政的メリットをもたらすものとされており、交渉テーブルで簡単に手放せるカードではない。

EU全体の予算交渉は通常、数年単位の多年度財政枠組みとして合意されるが、次期枠組みをめぐる交渉は2025年から本格化しており、合意期限は2027年の現行枠組み終了前が目標とされている。加盟国間の利害が複雑に絡み合う中、今回の書簡はその交渉を有利に進めようとする受取国側の「先手」とも読める。

オランダ在住者にとっての意味

この対立は単なる外交上の摩擦にとどまらない。交渉の結果次第では、オランダの年間EU拠出額が数億ユーロ単位で増加する可能性があり、それは国内の財政配分や社会保障予算にも間接的な影響を及ぼしうる。オランダ政府はすでに歳出削減圧力に直面しており、EU拠出の増加は国内政治でも敏感な問題となる。

オランダに暮らす日本人にとっては直接的な影響は限定的に見えるかもしれないが、EU予算の配分はインフラ整備から研究助成、気候変動対策まで幅広い分野に波及する。交渉の行方を注視しておく価値は十分にある。

情報源: AD

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