ウエストナイルウイルス、オランダの馬に感染拡大──「まさかうちの馬も」と不安広がる
ワクチン未接種の馬も多く、元気のない馬が見えるたびに感染を疑う状況が続く
オランダ南ホラント州スヒップルイデンの馬小屋で、今年最初のウエストナイルウイルス感染馬が確認された。それ以来、周辺の厩舎ではこのウイルスが話題の中心となり、馬のオーナーたちの間に静かな不安が広がっている。「まさかうちの馬じゃないよね」——元気のない馬を見かけるたびにそんな言葉がこぼれる日々が続く。
獣医への問い合わせが急増
地元の獣医マイラ・ボクセ氏によると、最初の感染確認が報じられて以降、「自分の馬が感染して死ぬ可能性はどのくらいか」という問い合わせが目に見えて増えているという。馬のオーナーたちが神経質になるのも無理はない。ウエストナイルウイルスは蚊を介して感染し、馬に神経症状や高熱を引き起こすことがある。重症化すれば死に至るケースもあり、感染した馬の致死率は最大で約30〜40%に達するとされる。人への感染も起こりうるため、公衆衛生上の観点からも注意が必要なウイルスだ。
ワクチンはあるのに接種は進まず
こうした状況にもかかわらず、多くの馬のオーナーがいまだにワクチン接種を済ませていないという実態がある。馬用のウエストナイルウイルスワクチンはオランダ国内でも入手可能であり、獣医師を通じて接種を受けることができる。ボクセ氏をはじめとする獣医師たちは接種を強く勧めているが、「費用がかかる」「うちの馬は大丈夫だろう」という楽観視から、接種を後回しにするオーナーが後を絶たない。ワクチンの基礎免疫には複数回の接種が必要で、感染シーズン前に完了しておくことが推奨されている。
オランダの馬オーナーにとっての現実
ウエストナイルウイルスはもともと熱帯・亜熱帯地域に多いとされてきたが、近年は気候変動の影響もあり、西ヨーロッパでの感染報告が増加傾向にある。オランダでも過去数年、夏から秋にかけて散発的な感染が確認されており、もはや「遠い国の話」ではなくなっている。馬を飼うオーナーにとっては、蚊が活発になる季節を前に、ワクチン接種の検討を含めた早めの対策が現実的な選択肢となる。元気がなさそうに見える馬を「まさかウエストナイル?」と疑い始めた時点では、すでに遅いかもしれない。
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