学生ローン総額が初の減少、しかし高額債務者は6年で倍増
「不運な世代」への補償金も引き上げ、2027年4月以降に支給へ
オランダの学生・元学生が抱える学生ローンの総額が、統計開始以来初めて前年を下回った。中央統計局(CBS)の発表によれば、2026年初頭時点の残高は280億ユーロ(前年比8億ユーロ減)となった。CBSの主任エコノミスト、ペーター・ハイン・ファン・ミュリヘン氏は「ローン制度(leenstelsel)がなくなってから数年が経過し、総額の増加が鈍化していたが、ついに減少に転じた」と語る。
基本奨学金の復活が下押し要因に
ローン申請数の減少は今年で3年連続となる。その背景にあるのが、2023/2024年度から高等教育に再導入された基本奨学金(basisbeurs)だ。同氏は「学費が劇的に安くなったわけではないが、basisbeurs の存在が借入抑制に寄与しているのは間違いない」と説明する。basisbeurs の支給額は自宅通学か否かで異なり、追加給付(aanvullende beurs)については親の収入水準が基準となる。一方で、2026年時点で学生ローンを抱える元学生は111万人超と前年より6,000人増えており、ファン・ミュリヘン氏は「かつてのleenstelsel 下で学び始めた人たちがまだ残っているためだろう」と分析する。
高額債務者の増加という影
総額が減少に転じた一方で、見過ごせない問題が残る。2015年から2023年にかけて適用されていたleenstelsel の下で学んだ元学生を中心に、5万ユーロを超える高額債務者の数は過去6年間で倍増した。さらに10万ユーロ超の債務を抱える人も約5,000人に上る。債務がある人の半数は1万ユーロ未満に収まっているものの、一部の元学生が突出して重い負担を負っている構造は続いている。
leenstelsel は「裕福な家庭の学生には国の補助は不要」という考え方に基づき導入されたが、結果として多くの学生が多額の債務を抱えることになり、批判を受けて廃止された経緯がある。「不運な世代(pechgeneratie)」と呼ばれるこの期間に学んだ人々には補償金が設けられ、当初の上限1,400ユーロから最大2,100ユーロへと引き上げられた(議会が金額不十分と判断したため)。支払いは教育給付機関DUOを通じて2027年4月以降に行われる予定だ。
オランダに在住する日本人でも、現地の高等教育機関に子どもを通わせている家庭や、自身がオランダの学生ローンを利用している方には直接関わる話題だ。basisbeurs の再導入による借入環境の改善は追い風だが、過去のleenstelsel 世代の長期的な債務負担という課題は、オランダ社会全体でしばらく議論が続くとみられる。
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情報源: NOS Algemeen




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