メインコンテンツへスキップ
ディーゼル乗用車、オランダで「絶滅危惧種」へ――価格逆転と規制が追い打ち
社会 読了 2分

ディーゼル乗用車、オランダで「絶滅危惧種」へ――価格逆転と規制が追い打ち

10年で台数は6割減、中古市場も「完全に崩壊した」

この記事をシェア ✓ コピーしました

オランダの道路から、ディーゼル乗用車が急速に消えつつある。自動車業界団体Bovagのデータによると、国内を走るディーゼル乗用車は10年前の約140万台から現在は約56万台にまで落ち込んだ。新車販売はほぼ止まり、中古市場でも買い手がつかない状況が続いている。売却仲介サービス「ikwilvanmijnautoaf.nl」を運営するニールス・アウデ・ルティクハウス氏は「市場は完全に崩壊した」と言い切る。

価格逆転が決定打に

ディーゼル人気が急落した最大の要因は、燃料価格の逆転だ。かつてディーゼルはガソリンより安く、走行距離が多いドライバーほど経済的に有利とされていた。しかし今年2月末に米国とイランの対立が激化して以降、ディーゼル価格は急騰。現在の参考小売価格はディーゼルが1リットル約2.77ユーロ、ガソリンが2.71ユーロと立場が逆転している。対立前はディーゼルが約2.03ユーロ、ガソリンが約2.26ユーロだったことを思えば、わずか数か月で市場の前提が根本から覆ったことになる。アウデ・ルティクハウス氏は「記録的なディーゼル高で、ディーゼルを運転するメリットがまったくなくなった。供給はあるが、需要が極めて低い」と話す。

税制・規制も「追い打ち」

価格問題に加え、制度面でのハードルも積み重なっている。オランダでは一般にディーゼル車の道路税はガソリン車より高く設定されており、2020年からは排気微粒子(PM)を多く排出する一部のディーゼルに追加の微粒子税(fijnstoftoeslag)が課されている。さらにアムステルダムをはじめ多くの都市が環境ゾーン(milieuzone)を設け、一定年式以上のディーゼル車の乗り入れを禁止している。こうした規制の累積効果は残存価値にも如実に表れており、Bovagによると5年落ちのディーゼル車の残存価値は過去10年で31%から15%へと半減した。例として、2021年に3万4,500ユーロで購入されたフォルクスワーゲン・ゴルフ・ディーゼルは、走行距離20万キロの現在、約5,200ユーロの査定しかつかない。古いディーゼルは廃車か輸出に回されているが、かつての主要輸出先だったウクライナやポーランド向けの需要も戦争の影響で落ち込んでいるという。

トラック・バスが支えるガソリンスタンドのディーゼル

ただし、ディーゼルが完全に消えるわけではない。貨物トラック、路線バス、配送バンの大半は依然ディーゼルで動いており、これらが大量に燃料を消費している。独立系ガソリンスタンドの業界団体Driveの担当者は「ディーゼルの提供をやめたという話は聞いていない」と述べており、給油インフラの縮小は当面考えにくい状況だ。アウデ・ルティクハウス氏自身は「ディーゼルが静かに消えていくのは良い流れだと思う。価格が正常化すれば一定のファンは残るだろうが、それでも絶滅危惧種であることは変わらない」と話す。

在蘭日本人でディーゼル車を所有している場合、売却を検討するなら市場が一層冷え込む前に動いた方が賢明かもしれない。また、これから車を購入する際は道路税の割増や環境ゾーンの制限も含めた総コストをあらかじめ確認しておく必要がある。

情報源: NOS Algemeen

この記事をシェア ✓ コピーしました

📩 無料メールニュース

明日のオランダニュースも、メールで読みませんか?

毎朝、その日のニュース要約と音声版(ポッドキャスト)が
メールで届きます。無料です。

無料で購読する

関連ニュース