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オランダ王室、奴隷制から約5760億円を得ていた――60人の研究者が4年かけて解明
社会 読了 2分

オランダ王室、奴隷制から約5760億円を得ていた――60人の研究者が4年かけて解明

国王自ら依頼した全2000ページの調査報告書が公開

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オランダ王室、オラニエ=ナッサウ家が歴史上の奴隷制度から得た利益は推計5億7600万ユーロ(約5760億円)に上る――そうした調査結果をまとめた報告書が10月、ライデン大学のアカデミー・ビルディングでウィレム=アレクサンダー国王に手渡された。利益の大部分は、かつての蘭領東インド(現インドネシア)における植民地経営から生まれたものだという。

国王自らが依頼した「4年間の検証」

この調査はウィレム=アレクサンダー国王が2022年に発注したもので、王室文書庫へのアクセスと資金提供も国王自身が行った。60人の研究者が約4年をかけて取り組んだ成果は全5巻・2000ページの大著にまとめられた。

調査を率いたのは植民地史の元教授、ヘルト・オーストインディー氏だ。報告書の発表式典で同氏は「歴代の総督、国王、女王のすべてが、少なくともウィルヘルミナ女王の時代まで、植民地主義の正当性とその重要性を確信していた」と述べた。一方で、君主が植民地政策に直接影響を与えたケースは実は限られており、政策の大半は三部会(初期の議会的機構)やVOC(オランダ東インド会社)に委ねられていたという。

歴代君主の中で植民地奴隷制に直接関与したとされるのは、1813年から1840年まで在位したウィレム1世のみだ。その後の君主たちは議会との権力分有を余儀なくされ、政策決定の主導権は徐々に立法府へと移っていった。また、大西洋奴隷貿易からの収益が小さかった理由についても、王家が反対していたからではなく、事業として成功しなかったからだと報告書は指摘している。

謝罪と象徴的な決断が続く

国王は報告書を受け取り、「胸が痛く、正面から向き合わなければならない内容だ」と語った。そして「過去を変えることはできないが、現在と未来に最善を尽くして貢献したい」と続けた。

王室による一連の対応は、この報告書が初めてではない。国王は2023年、奴隷貿易廃止の年次記念式典において公式謝罪を表明している。また、植民地主義を描いたパネルが問題視されてきた儀礼用の黄金の馬車の使用も取りやめた。

なお、2023年には内務省も同様の調査結果を発表している。2021年の議会動議を受けて行われたこの調査には約30人の研究者・歴史家が参加し、『Staat en slavernij(国家と奴隷制)』として刊行されている。

在蘭日本人にとっての意味

オランダ政府と王室による一連の「歴史の清算」は、単なる過去への贖罪にとどまらず、今後の植民地被害国との外交や補償論議にも影響を与えうる。在蘭日本人にとっても、オランダ社会がどのように植民地主義の遺産と向き合い、公的な謝罪と補償の議論を進めていくのかを理解しておくことは、この国の政治・社会の動向を読む上で重要な文脈となるだろう。

情報源: DutchNews

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