オランダ、不動産業者に義務的登録制度と苦情窓口を導入へ
自主規制の失敗を受け、住宅大臣が法的整備に踏み切る
オランダ政府は、不動産業者を対象とした義務的登録制度と公式苦情窓口の創設に乗り出す。住宅大臣エラノール・ブークホルト=オサリバン氏(D66)が議会への書簡でその方針を明らかにした。業界団体による自主規制の試みが行き詰まったことを受け、政府として制度的な対応に踏み切る形となった。
自主規制が機能しなかった背景
オランダでは2001年に不動産業者のライセンス制度が廃止されて以来、弁護士や建築士とは異なり、現在は資格や登録なしに誰でも不動産業者を名乗ることができる。業界には「Vastgoed Nederland」など二つの業界団体が存在するが、いずれも問題のある業者を処分する権限を持たない。加入が任意である以上、制裁を受けそうになった業者が単純に退会してしまえばそれまでという構造的な問題があった。
Vastgoed Nederlandの副代表トリスタン・ボンス氏は「任意加入という枠組みでは自主規制は機能しない、と私たちは何年も前から訴えてきた。大臣も今、同じ結論に至った」と声明で述べた。ブークホルト=オサリバン大臣も「残念ながら、業界団体が必要な次のステップを踏み出すことができないと結論づけざるを得ない」と書簡に記している。
調査が示す業界の実態
政府が委託した調査では、回答者の約3分の1が不動産業者に関して少なくとも1件の否定的な経験を持つと回答した。さらに問題なのは、そうした苦情の約90%が業界団体に加盟している業者に関するものだったという点だ。制度上は「信頼できる」はずの加盟業者が苦情の大部分を占めているという事実は、自主規制の実効性のなさを如実に示している。
一方、実際に公式な苦情申し立てを行ったのは全体のわずか2%にとどまった。苦情の内容は、機密情報の漏洩や住宅価格の意図的な釣り上げなど多岐にわたる。住宅所有者協会「Vereniging Eigen Huis」が今年2月から7月にかけて開設した専用ホットラインには、この期間だけで900件もの報告が寄せられた。内容としては、購入者が予算を超えた入札を迫られたケースや、業者が特定の顧客を優遇したとされるケースなどが含まれる。
オランダ在住の日本人への影響
住宅購入や賃貸契約の際に不動産業者を利用する在蘭日本人にとっても、今回の制度整備は無関係ではない。登録制度が導入されれば、業者の信頼性を事前に確認する手段が生まれ、苦情窓口の設置によりトラブル発生時の対応ルートも明確になる。具体的な制度の詳細や施行時期は今後の立法プロセスを経て確定する見通しだが、慢性的な住宅不足が続くオランダ市場において、業者の透明性向上は住宅購入者・借主双方に恩恵をもたらすと期待される。
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情報源: DutchNews




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