政府が不動産業者の監督を直接掌握へ——登録制と苦情窓口を新設
自主規制に限界、2027年初頭までに具体的な立法案を策定予定
住宅を売買する際に「公正なプロセスとは思えない」——そう感じているオランダ市民は少なくない。ブークホルト=オサリバン住宅相(D66)は、こうした声を受け、不動産仲介業者に対する政府主導の監督制度を導入すると発表した。具体的には、全業者に登録を義務付ける「業者登録簿」と、不満を持つ売買当事者のための「苦情窓口・紛争委員会」を新設する。
苦情は氷山の一角——自主規制の限界が露呈
住宅相が実施した調査では、回答者のほぼ3分の1が不動産業者に関して少なくとも一度は否定的な経験をしており、多くのケースで売却側の業者が問題の発端となっていた。苦情の約90%は業界団体に加盟する業者に関するものだったにもかかわらず、実際に正式な申告を行ったのはわずか2%にとどまった。住宅所有者協会(Vereniging Eigen Huis)には今年2月以降だけで900件を超える苦情が寄せられており、問題の根深さを示している。
住宅相はもともと、業界団体が自ら品質や公正さに関する取り決めを整備することを期待していた。しかし、各業界団体との協議の結果、行動規範や改善計画があっても悪質業者を排除するには「自分たちの力では不十分」という声が相次いだ。「大きな一歩であり、本来は望んでいなかった」とブークホルト氏は率直に語っているが、自主規制の限界が明確になったことで、政府が直接介入する形となった。
登録制度の仕組みと業者への影響
新たに設けられる業者登録簿では、すべての不動産仲介業者が登録なしには業務を行えなくなる。登録にあたっては、透明性の確保・誠実な業務遂行・入札記録(ビッドボック)の開示といったルールへの準拠が求められる。入札記録とは、ある物件に対して提出されたすべての入札額を記録したものだ。現状では、「他の購入希望者より1万ユーロ高く入札するよう勧められたが、本当に他の入札があったのかどうか分からない」という状況が生じており、一部の業者がこれを悪用して価格をつり上げたり、特定の顧客を優遇したりするケースが指摘されている。
紛争委員会は悪質と判断した業者の登録を抹消できる権限を持ち、登録を失った業者はオランダ国内で仲介業務を続けることができなくなる。立法化に向けては、PVV議員のモーイマン氏が提出を予定している法案——行動規範、全国的な職業登録簿、外部監督、違反への罰則を柱とする——と連携しながら進める方針で、2027年初頭までに具体的な法案をまとめるとしている。
オランダ在住者への影響
住宅購入や売却を検討している在蘭日本人にとって、この制度変更は見逃せない。登録制の導入によって業者の信頼性が可視化され、入札プロセスの透明性が高まれば、不動産取引に際して情報面での不利が生じやすい外国人にとっても恩恵は大きい。一方で、立法化が完了するのは早くとも2027年以降となる見込みであり、それまでの間は現行の仕組みの中で業者選びを慎重に行う必要がある。苦情窓口の整備が進むことで、問題が生じた場合の対処手段も広がりそうだ。
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情報源: NOS Algemeen




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