ボックス3資産課税の大改革:変更点とあなたの生活への影響
非課税枠の大幅縮小で中間所得層の貯蓄者に大きな打撃
オランダ政府は、長年にわたって議論が続いてきた資産・貯蓄課税制度「ボックス3」の抜本的な見直し案を発表した。この改革は予算交渉における野党への譲歩パッケージの一部として打ち出されたもので、社会保障費の大規模削減計画の撤回と同時に提示された。現行制度が欧州人権法に違反するとした2021年の最高裁判決を受け、政府はついに制度の根本的な組み直しへと動き出した格好だ。
なぜ制度を変えるのか
現行のボックス3課税は、実際の運用成績ではなく「みなし利回り」をもとに税額を計算する仕組みだ。株式市場が下落した年でも、あたかも利益を得たかのように課税されてきた。また、すべての人が同じ割合で貯蓄と投資を組み合わせていると仮定しており、実際には低利回りの普通預金にしか資産を置いていない人にとって不公平だと最高裁は判断した。
当初政府は、含み益(未実現利益)にも課税する制度への移行を検討していた。しかし今回の連立合意では方針を転換し、資産を売却した際の実現利益にのみ36%の税率で課税する制度への移行が提案されている。財務省の試算では、この変更により2035年までに約150億ユーロの税収減が見込まれる。
段階的に何が変わるか
2026年中は現行制度が維持される。変化が始まるのは来年からだ。2027年には非課税枠が現行の約€59,357から€30,846へと大幅に引き下げられる。これまで一度もボックス3税を払ったことがない人でも、課税対象になるケースが出てくる。
さらに大きな転換が待つのは2028年だ。固定の非課税枠が廃止され、代わりに投資・貯蓄からの年間収益€1,000までが非課税となり、それを超えた分に36%が課される。たとえば利回り2%の環境で€70,000を預金している場合、年間利息は€1,400となり、超過分の€400に対して約€144の税負担が生じる計算だ。株式・債券・投資信託については売却時の利益にのみ課税されるようになる一方、暗号資産や外貨建て貯蓄は2030年まで旧来の課税方式が続く見込みだ。
在蘭日本人への影響
国際金融アドバイザーのルーク・スタデン氏は、実現利益への課税移行そのものは「理にかなった税制への転換」として評価しながらも、非課税枠の削減については「逆進的で不公平」と批判する。恩恵を受けるのは資産を売却するタイミングをコントロールできる富裕層であり、毎年利息が発生する貯蓄口座に依存する中間所得層の小口貯蓄者は不利になりやすい構造だ。
在蘭日本人にとっても、本国の銀行口座や日本円建ての資産は課税対象になりうる点に注意が必要だ。オランダに居住している場合、海外保有の貯蓄・投資もオランダで申告義務がある。外国の金融機関がオランダの確定申告を代行することはないため、自身で取得価格や収益の記録を管理しておく必要がある。2028年以降は少なくとも初年度、銀行が申告書を自動入力できない見込みであることも念頭に置いておきたい。
なお、この改革案は年内に議会両院で過半数の承認を得る必要がある。現連立政権は上下院ともに過半数を持たず、複数の野党が依然として異議を唱えており、法案の成立はまだ確定していない。引き続き動向を注視することが求められる。
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情報源: DutchNews




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