オランダ、EUに数千億ユーロの予算削減を要求――「倹約6カ国」が結束
2028〜2034年の約2兆ユーロ提案に真っ向反発、10月サミットへ交渉山場
オランダ政府は、ドイツ・スウェーデン・デンマーク・オーストリア・フィンランドと連名で、EU議長国に書簡を送付した。内容は、欧州委員会が提案した2028〜2034年の次期7年間予算案から数千億ユーロを削減するよう求めるものだ。書簡は公開されていないが、主要メディアが内容を確認している。提案予算の規模はおよそ2兆ユーロで、現行予算から名目ベースで60%増に相当する。
「倹約6カ国」の論理
書簡の中で6カ国は、「我々6カ国だけで加盟国全体の拠出金の約40%を負担している。純拠出国全体として見れば少数派であるが、総負担の約4分の3を担っている」と訴えている。これほどの大幅増額は「現実的ではない」というのが共通の立場だ。一方、スペインやイタリアなど17カ国は、貧困地域向け支援や農業分野の保護を求めており、予算総額を2兆ユーロ以上に引き上げるよう主張している。欧州委員会も、大企業課税やたばこ消費税といった新たなEU共通財源の創設を提案しているが、議論は平行線をたどっている。6月にキプロス議長国が提示した2%削減案は、6カ国には到底受け入れられない水準だったという。
イェッテン首相の「大転換」
交渉の行方を複雑にしているのが、オランダ国内の政治的事情だ。イェッテン首相が率いるD66は、2025年の総選挙でEU予算を現行の2倍に拡大し、EU共通税と共同借り入れで賄うという公約を掲げていた。ところが少数連立政権として就任後、首相は方針を大きく転換した。4月のキプロス非公式サミットでは2兆ユーロ提案を拒否し、「このままではオランダの負担が爆発的に増える」と述べたと地元紙デ・テレフラーフが報じた。6月にはNOSに対し、欧州委員会の提案は「到底十分ではない」と明言している。
転換の背景には切実な財政問題がある。現在オランダはEU拠出金に一定の割引を受けているが、欧州委員会はこの割引廃止を提案しており、それだけで年間約20億ユーロの追加負担となる。オランダ会計検査院の試算では、提案が通れば年最大54億ユーロの拠出増になるという。
10月サミットが交渉の山場
現在EU議長国を務めるアイルランドは、近く新たな妥協案を提示する予定で、10月15〜16日のEUサミットに向けた交渉が大詰めを迎えている。欧州理事会のアントニオ・コスタ議長は10月9日にオランダを訪問し、イェッテン首相と直接協議する見通しだ。フランス・イタリア・スペイン・ポーランドの各国選挙が今後控えているため、交渉担当者は年内の合意成立を目指している。ただし予算には全27カ国の合意が必要であり、FT紙によれば6カ国側の外交官は「数千億ユーロ規模の削減がなければ年内合意はない」と断言している。在蘭日本人にとっても、EU予算の規模は日欧間の貿易環境や研究・交流プログラムの予算に直結する問題であり、交渉の行方は引き続き注視が必要だ。
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情報源: DutchNews




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