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保護者監視アプリがパートナーへの盗聴ツールに悪用される実態
社会 読了 2分

保護者監視アプリがパートナーへの盗聴ツールに悪用される実態

合法的な「子ども見守り」と違法なスパイ行為、その境界線は限りなく薄い

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子どものスマートフォン利用時間を管理したり、有害なウェブサイトへのアクセスを遮断したりする「保護者向け監視アプリ」。子育ての場面では一般的なツールとして普及しているが、その機能がまったく別の目的――パートナーへの監視やストーキング――に流用されているという実態が、オランダの報道機関NRCの調査で明らかになった。

子ども見守りアプリが「スパイツール」に変わるとき

こうしたアプリが備える機能は、GPS位置情報の追跡、通話・メッセージ履歴の閲覧、特定アプリの使用制限、スクリーンタイムのリアルタイム監視など多岐にわたる。子どもの安全を守るためには有効なツールである一方、インストールさえしてしまえば、相手が気づかないまま詳細な行動記録を収集できるという特性が、悪意ある利用を可能にする。

NRCの記者カルリ・コーイマンが取材を進めたところ、被害を受けた当事者の体験として、交際相手や配偶者にこれらのアプリを密かにインストールされ、居場所や連絡相手を常時監視されていたケースが複数確認された。アプリ自体は一般向けに正規販売されており、違法ではない。だが本人の同意なく第三者のデバイスに使用することは、オランダ法上でもプライバシー侵害やストーキングに該当しうる。合法と違法の境界線は、使用する側の「意図」と「同意の有無」という、外側からは見えにくい要素にかかっている。

デジタル技術が変えるDV・ハラスメントの構造

専門家や支援団体が近年指摘しているのは、テクノロジーを介した支配や監視――いわゆる「テクノロジー促進型DV(Tech-facilitated abuse)」――が増加しているという傾向だ。スマートフォンやスマートホームデバイス、そして今回のような監視アプリは、物理的な暴力を伴わない形で相手を孤立させ、行動を制限する手段として機能しうる。被害者がそもそも「監視されている」と気づくことが難しく、支援につながるまでの時間が長くなりがちな点も深刻だ。

コーイマンの調査はポッドキャスト形式でも公開されており、ラジオ的な手法でより広い層に問題を届けようとしている。NRCはあわせて、同様の被害体験を持つ読者からの情報提供を引き続き募集しており、体験を共有したい場合はc.kooijman@nrc.nlへの連絡が呼びかけられている。

オランダに暮らす私たちへの示唆

在オランダの日本人にとっても、このテーマは決して遠い話ではない。子育て世代であれば保護者向けアプリを実際に使っているケースも多く、その機能の「両面性」を改めて認識しておく価値はある。また、もし自分のデバイスの動作に不審な点を感じた場合――バッテリーの消耗が急に激しくなった、見覚えのないアプリがインストールされているなど――は、専門機関への相談を検討することが重要だ。テクノロジーは便利さと危うさを常に同時にはらんでいる。その現実を意識することが、自衛の第一歩となる。

情報源: NRC

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