スキポール騒音規制審議と最高裁判決—9月29日オランダの注目ニュース
コロナ禍の扇動罪、児童手当スキャンダルの余波、異例の残暑も
9月29日(月)、オランダでは司法・立法の両面で注目を集める動きが重なった。最高裁判所(Hoge Raad)がコロナ禍の扇動行為をめぐる裁判の判決を言い渡し、下院(Tweede Kamer)ではスキポール空港周辺の騒音規制について集中審議が行われた。さらに、児童手当不正徴収スキャンダルの被害を受けた子どもたちが議会に直訴するという、社会的に重い場面も予定されていた。
最高裁が「コロナの扇動者」エンゲル氏の判決を言い渡す
コロナ禍に反ロックダウン運動を主導した市民団体「Viruswaarheid(ウイルスの真実)」の代表、ウィレム・エンゲル氏の上告審判決が、この日最高裁によって下された。エンゲル氏は控訴審で60時間の社会奉仕命令を言い渡されており、罪名はパンデミック対策への市民の反抗を煽ったとされる「扇動罪(opruiing)」だった。検察側の検事総長(advocaat-generaal)はすでに、事件の一部については審理を差し戻すよう最高裁に勧告しており、最終的な判断の行方が注目されていた。コロナ禍における表現の自由と公衆衛生の境界線をめぐる問いは、オランダ社会にとって今なお未決の問題であり、この判決はその一つの区切りとなる。
スキポール騒音規制、11月施行に向け下院審議
下院ではVVD(自由民主党)のカレマンス・インフラ・水管理大臣が提案するスキポール空港周辺の騒音規制新ルールをめぐり、与野党が議論を交わした。大臣は新ルールの11月施行を目標に掲げており、アムステルダム近郊の住民から長年にわたって寄せられてきた騒音被害への対応を急ぐ構えだ。スキポール空港の運航容量と地域住民の生活環境をいかに折り合わせるかは、オランダの交通・環境政策における長年の難題であり、立法の動向は在蘭日本人を含む空港周辺の居住者にも直結する問題となっている。
児童手当スキャンダル、今度は「引き離された子どもたち」が声を上げる
この日もう一つ重要な場面が予定されていたのが、児童手当不正徴収スキャンダル(toeslagenschandaal)の被害家族にかかわる動きだ。税務当局による誤った過払い認定によって家庭が経済的に追い詰められ、その結果として親元から強制的に引き離された子どもたちが、下院議長に宛てた公開書簡を直接手渡した。彼らが求めるのは、自分たちの家族に何が起きたかを解明する独立した調査だ。スキャンダルをめぐっては親世代への補償が議論されてきたが、引き離された子どもたち自身への影響検証はいまだ十分に行われていないとの指摘がある。在蘭の日本人の中にもオランダの社会保障制度と接点を持つ方は少なくなく、行政の誤りが家族に与える影響という問題は対岸の話ではない。
なお、この日のオランダは終日晴れで南東の風。9月下旬としては極めて異例な23〜28度の高温が予報されており、季節外れの陽気となった。
広告掲載にご興味のある方は こちら
情報源: NOS Algemeen




/s3/static.nrc.nl/wp-content/uploads/2026/10/23144459/261026VER_2037742375_burg.jpg)
/s3/static.nrc.nl/wp-content/uploads/2026/10/22153851/261026ECO_2037214989_overlast2.jpg)