連立与党、福祉削減の全面撤回で予算合意へ——焦点は100億ユーロの財源確保
左派野党の要求を受け入れ、右派とは溝も残る綱渡りの交渉
オランダの予算交渉が、大きな曲がり角を迎えた。連立与党であるD66・CDA・VVDは週末の交渉を経て、左派野党のProとVoltが最低条件として掲げていた社会保障費削減の全面撤回を受け入れた。政府は火曜夜までの合意成立を目指しており、ChristenUnieのミルヤム・ビッカー党首は土曜日に両大臣と会談した後、「政府側に緊迫感、一体感、動きが見られた」と述べている。
削減撤回の中身——WW・WIAは現行通り
撤回が確認された削減項目は多岐にわたる。失業給付(WW)については最長2年間という現行制度が維持され、長期障害給付(WIA)も手をつけないことが明らかになった。傷病手当や産休手当の給付上限を引き下げる計画、そして平均余命に連動して定年を引き上げる案もすでに白紙に戻されている。ProとVoltは合わせて下院に21議席、上院にも過半数確保に足る議席を持つため、予算案の可決には欠かせない存在だ。Volt党首のローレンス・ダッセンは「これらは我々の核心的な要求だった」と評価しつつも、「問題の本質は細部に宿る」として、削減撤回によって生じる財源の手当てが今後の焦点になると指摘した。
浮上する「ボックス3」代替と100億ユーロの穴
与野党が合意に向けて動く一方で、財政上の大きな課題が残る。最高裁がヨーロッパ人権法に違反するとの判断を下した「ボックス3」資産課税の代替制度として、資産の売却時にのみ課税する資本利得税の導入が検討されている。しかし現行制度は年間の含み益に対して課税する仕組みのため、新制度への移行により短期的に100億ユーロ規模の財源不足が生じる見込みだ。オランダの有力紙テレグラーフが入手した内部文書によると、この穴を埋めるため、ビジネスオーナーが株式や配当から得る収入に課税する「ボックス2」の税率引き上げが検討されているという。
右派との溝——移民・減税が置き去りに
予算交渉は左派野党との距離を縮めた反面、右派のJA21とSGPとの間に亀裂を生んでいる。JA21党首のヨースト・エールダマンスは、日曜日にロブ・イェッテン首相とエールコ・ハイネン財務相と会談した後、「左寄りの内容で、税制優遇、移民対策、安全保障について何も示されていない」と不満を表明した。キリスト教右派のSGPも、中絶や代理出産に関する党の懸念が一切反映されていないとして留保を示した。政府が予算案を下院で通過させるには10票、上院では16議席の野党支持が必要で、右派2党だけでは下院の票数すら賄えない計算だ。ProとVoltを取り込む一方で右派をどう扱うか——残された時間でまとめ上げられるかが問われている。在蘭の生活者にとっては、WW・WIAの現行制度維持は直接関わる重要事項であり、今後の財源交渉の行方を引き続き注視する必要がある。
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情報源: DutchNews




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