アムステルダムのテラスで刑務官が白昼射殺――犯人はその場で投降
NDSM埠頭の飲食店で起きた衝撃の事件、犬のトラブルから凶行へ
アムステルダム北部、IJ川北岸に位置するNDSM埠頭。工業遺産を再利用したこの文化地区にある飲食店「デ・バーンデライ」のテラスは、その日も多くの客でにぎわっていた。金曜日の午後3時ごろ、数十人の目撃者が見守るなか、一人の男性が至近距離から銃撃され、その場で命を落とした。被害者はマルセル・ブレイト氏(年齢非公表)。オランダの刑務所システムで30年にわたって働いてきたベテランの刑務官だった。
犬のトラブルから一瞬の凶行へ
目撃者の証言によれば、事件のきっかけはリードをつけていない犬をめぐるトラブルだったとみられる。銃撃犯の犬が埠頭周辺を走り回って吠えていたことに端を発し、ブレイト氏と言い争いになったという。「男は何度も行き来していた。殴り合いになると思っていたら、銃声が聞こえた」と、ある目撃者はメディアに語っている。白シャツに赤いズボン姿の犯人は、射撃後に銃をIJ川に投棄したが、逃走しようとはしなかった。数分後に到着した警察にその場で投降し、身柄を確保された。救急車とヘリコプター救急隊が出動したが、ブレイト氏を救うことはできなかった。現場には子ども用のベビーカーが隣接しており、惨劇の生々しさを伝えている。
刑務所との関連も捜査対象に
事件後、ブレイト氏の素性が明らかになるにつれ、捜査の焦点は単純な口論以上の背景にも広がっている。ヘット・パロールなどオランダ主要紙が引用した情報筋によれば、容疑者はかつてブレイト氏が勤務していたザーンスタット刑務所に収容されていたとされる。両者が面識を持っていたかどうかは現時点では不明だが、ザーンスタット刑務所にはアムステルダムの危険な犯罪者が多数収容されており、「トップ600」と呼ばれる常習犯リストに名を連ねる人物や、犯罪組織との関係者も含まれる。捜査当局は、今回の射殺がブレイト氏の職務と何らかの形で結びついている可能性を排除せずに調べを進めている。
同僚が語る「父親のような存在」
ブレイト氏は職場でも慕われた人物だったという。「マルセルは誰とでもうまくやれる人だった。彼と一緒に房内を担当する日は、良い一日になるとわかっていた」と、同僚の一人はヘット・パロールに語った。同僚や、彼が関わった若い受刑者たちにとって「父親のような存在」だったという。事件後、警察はテラス周辺を封鎖し、アムステルダム中央駅との間を結ぶフェリー航路も約3時間にわたって運航を停止した。目撃者は警察の車両で最寄りの警察署に移送され、事情聴取を受けた。なお、現場に居合わせた人向けに、被害者支援機関「スラハトフェルフルプ」が相談・カウンセリングの窓口を設けている。白昼の公共空間で起きた今回の事件は、在蘭の日本人を含む多くの人々が日常的に訪れるような賑わいの場が舞台となっただけに、オランダ社会に大きな衝撃を与えている。
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情報源: DutchNews


