難民受け入れ不足の42自治体、国の対応に「不当」と反発
分散法の算定にウクライナ避難民が含まれず、現場との溝が深まる
オランダ全土で難民受け入れをめぐる国と地方自治体の対立が鮮明になってきた。NOSの取材によると、難民分散法(Spreidingswet)に基づき移民・難民省の監督下に置かれた自治体は現在42に達し、毎月新たな自治体が加わっている。大臣は公開リストへの掲載を通じて圧力をかける姿勢を崩さないが、対象となった自治体の多くは「不当な扱いを受けている」と強く反発している。
「受け入れ拒否」の烙印に憤る自治体
南ブラバント州フフトのシャンタル・ナイケルケン=デ・ハーン市長(VVD)は「私たちは受け入れ拒否自治体だとは思っていない」と語る。同市は8月から強化監督下に置かれているが、義務の232人を大幅に上回る608人のウクライナ避難民をすでに受け入れている。問題は、この実績が分散法の算定に一切カウントされない点だ。市長は「大臣は難民認定申請者の法律だけを見ている。戦争や暴力から逃げてきた人々はみな、屋根と乏しい社会資源を必要としているという観点から、包括的に評価してほしい」と訴える。
エールセル市も同様の立場だ。同市が提案した受け入れ施設は州に却下され、第二案は政治的な理由で頓挫した。アハトカルスペレン市は声明で「『拒否』という表現は、私たちが責任を取る意思がないかのような印象を与える。そんなことはない」と反論している。処理に時間がかかるもう一つの理由として各自治体が口をそろえるのが、「丁寧さ」の重要性だ。クレンボルフ市は200人規模の施設を2年前から計画しているとしつつ、「慎重に進めることが必要で、それには時間がかかる」と説明する。今夏にエンヘレンやローストレヒトで起きた住民抗議運動を念頭に、拙速な決定がかえって混乱を招くことを自治体側は懸念している。
大臣は「事実確認」と主張、今秋にも次の一手
移民・難民担当のファン・デン・ブリンク大臣(CDA)はNOSの取材に対し、「デン・ハーグが自治体に多くを求めていることは理解している。難民受け入れは社会的な最重要課題の一つだ」と述べた。一方でリストへの掲載はあくまで「事実の確認」であり、自治体の姿勢に対する評価ではないと強調。解決策が見つからない場合は資金面を含めた支援を提供する考えも示した。
しかし対話だけで終わるわけではない。対象42自治体は受け入れ計画の策定を求められており、今秋にも法的義務を果たしていない自治体への次の措置が発動される見通しだ。最終手段として、大臣は自治体の権限を引き継ぎ、受け入れ場所を直接決定することも法律上可能となっている。
在オランダの日本人にとっても、この問題は無縁ではない。地域の施設・サービスや住環境に影響を与えうる受け入れ施設の設置は、居住自治体の政策判断に直結する。国と地方の綱引きがどう決着するかは、今後の地域社会のあり方を左右しかねない問題だ。フフト市長は「大臣には、各自治体がすでに何をしているかを見た上で判断を変えてほしい。限界もある」と訴え、引き続き対話を求めている。
広告掲載にご興味のある方は こちら
情報源: NOS Algemeen




/s3/static.nrc.nl/wp-content/uploads/2026/10/23144459/261026VER_2037742375_burg.jpg)
/s3/static.nrc.nl/wp-content/uploads/2026/10/22153851/261026ECO_2037214989_overlast2.jpg)