COA新代表「緊急避難型の受け入れから脱却を」——現実は施設閉鎖が加速
COA新代表「緊急避難型の受け入れから脱却を」——現実は施設閉鎖が加速
理想を掲げる新トップ、しかし今後数ヶ月は開設より閉鎖が上回る見通し
オランダの難民・亡命希望者の受け入れを統括する中央機関COA(Centraal Orgaan opvang asielzoekers)のトップに就任したレムコ・バッカー氏(53)が、就任から数週間で早くも強いメッセージを発した。「オランダは緊急避難型の受け入れから、構造的に脱却しなければならない」——。しかしその言葉とは裏腹に、現場の実態は厳しい方向に動いている。
「宝石のようなAZC」と「不適切な体育館」の間で
バッカー氏は就任直後から全国の施設を精力的に視察し、その落差を肌で感じたという。一方には設備の整った「宝石のようなAZC(難民受け入れセンター)」があり、もう一方には本来難民収容には適さない体育館が緊急避難所として使われ続けている現実がある。氏はこの二極化した状況を問題視し、すべての施設を恒久的かつ適切な環境へと移行させることが急務だと訴える。緊急避難型の施設は、滞在者にとって生活環境として不十分なだけでなく、運営コストの面でも非効率であることが指摘されている。
開設より閉鎖が多い、厳しい現実
ところが、バッカー氏の理想とは大きくかけ離れた現実がある。COAによれば、今後数ヶ月で新規開設される施設よりも閉鎖される施設の方が多くなる見通しだ。これは収容能力の縮小を意味しており、難民受け入れ体制が改善に向かうどころか、むしろ縮小局面に入りつつあることを示している。背景には、オランダ国内での難民政策をめぐる政治的な圧力や、地方自治体との用地交渉の難航などがある。新代表が掲げる「脱・緊急避難」の理念は正論として受け止められているものの、実現への道筋は決して平坦ではない。
全国160か所でオープンデー、社会との対話を模索
こうした状況のなかで本日、COAは全国約160か所の施設でオープンデーを開催している。地域住民や一般市民に施設の内部を公開し、難民受け入れの実態を直接見てもらうことで、理解と対話を促す狙いがある。在蘭の日本人にとっても、身近な地域でこうした施設がどのように運営されているかを知る機会となる。オランダにおける難民受け入れ問題は、住宅不足や社会統合の課題とも深く絡み合っており、今後の政策動向は在住外国人を含む社会全体に影響を与え得るテーマだ。新トップの言葉が実際の政策転換につながるかどうか、引き続き注目が集まっている。
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