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ガス備蓄コスト削減へ——オランダ政府、民間エネルギー企業に責任転換を表明
政治・行政 読了 3分

ガス備蓄コスト削減へ——オランダ政府、民間エネルギー企業に責任転換を表明

年間10億ユーロ超の補助金に限界、EU規定の充填率撤廃も要求

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オランダ政府は、北部のNorgとGrijpskerkにある季節的ガス貯蔵施設を政府系企業が充填する現行の仕組みを廃止し、民間エネルギー企業に責任を移す方針を議会への書簡で明らかにした。政府自身は大規模な災害や緊急事態に備えた「戦略備蓄」のみを保有する形に縮小し、価格安定化を目的とした季節的な貯蔵業務からは手を引く考えだ。

なぜ今、制度見直しなのか

問題の根底には、ガス市場の構造的な変化がある。かつてヨーロッパのガス市場は、夏に安く冬に高いという季節的な価格差が明確で、貯蔵ビジネスが商業的に成立していた。しかしノルウェー・ロシア・オランダが大量のガスをパイプラインで供給していた時代は終わり、現在は米国やその他の地域からLNG(液化天然ガス)タンカーで運ばれるガスが主力となっている。この世界市場化により、ガス価格の季節変動パターンは一変した。

現状ではガスの先物価格が将来の冬よりも現在のほうが高いため、民間企業にとって貯蔵して冬に売るという取引は採算が合わない。そこで国営のエネルギー管理会社EBN(Energie Beheer Nederland)が政府の命を受けて赤字のまま貯蔵を継続しており、その補助金はすでに約10億ユーロに達している。政府は毎年これほどの規模の損失を公費で穴埋めし続けることに強い難色を示している。

民間50社超への義務化とEU規定の撤廃要求

新方針のもとでは、EssentやEneco、Vattenfallをはじめとする大手エネルギー企業と47の中小エネルギー供給会社、合計50社超に対し、冬季に一定量のガスを在庫として確保することを法的に義務付ける。このうち一定割合はオランダ国内のガス貯蔵施設に物理的に保管することが求められる見通しで、気候・グリーン成長省はすでに同様の義務制度を導入しているオーストリアを先例として挙げている。

EUが設定する充填率目標についても政府は見直しを求めている。かつて80%を目指していた目標は現在64%まで引き下げられているが、政府はEUとの交渉でこの義務規定そのものの撤廃を目指す。また、EU規則が現在、貯蔵量の目標を各国の「総貯蔵容量」の割合で定めているため、かつてGroningenガス田の産出国として大規模施設を持つオランダが不釣り合いに多くのガスを蓄えなければならない問題もある。オランダは今後、ガスの需要量(冬季消費量)に基づいた基準への変更をEUに求めていく。

専門家の見解と在蘭生活への影響

制度転換に対しては業界内でも意見が割れている。ガスインフラ企業のGasunieは引き続き高い充填率と政府による大規模備蓄を支持する一方、かつてガス貯蔵施設を運営していたGasTerra(Shell・Essoの合弁)は「季節的貯蔵はもはや時代遅れ」とし、寒波の際には追加のLNGタンカーをロッテルダムやEemshaven港に呼べば足りると主張する。

戦略備蓄の規模がどの程度になるかはEUおよび議会との協議を経て決まるため、現時点では未定だ。オランダが保有する石油備蓄は約3か月分相当だが、寒冬を外部からの供給なしで乗り切れる規模のガス備蓄を構築するには数十億ユーロ規模の費用がかかると試算されている。また、グローニンゲン・ガス田を緊急時の保険として再活用する選択肢は政府がすでに正式に閉ざしており、仮にロシアがノルウェーとのパイプラインを破壊したり、米国がLNG輸出を停止したりするような極端な危機が発生した場合、いかなる備蓄も最終的には不十分になる可能性があると専門家は指摘する。オランダ在住者にとっては、この政策転換がエネルギー料金の安定性や供給保障にどう影響するか、今後のEUおよび議会での議論を注視することが重要だ。

情報源: NOS Algemeen

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