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消防署への侵入が急増、今年すでに85件——盗まれた工具がATM破壊に悪用
社会 読了 2分

消防署への侵入が急増、今年すでに85件——盗まれた工具がATM破壊に悪用

油圧救助器具が犯罪ツールに転用、救助活動への影響も深刻

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オランダ全土の消防署を狙った侵入事件が今年に入って急増している。警察がテレビ番組『Opsporing Verzocht』で公開した最新データによると、2025年の侵入件数はすでに85件に達した。2023年は年間17件、2024年は18件だったことを踏まえると、わずか1年で約5倍に膨れ上がった計算になる。

なかでも目を引くのが直近の加速ぶりだ。8月半ばの時点では60件だったカウンターが、その後わずか1か月余りで25件上積みされ85件となった。直近では、ユトレヒト州のマールン=マールスベルヘン消防署が夜間に侵入を受け、消火・救助用の機材が盗み出された。1週間足らず前にはノールトホラント州のホイゼン署でも同様の被害が確認されており、当局は同一犯行グループの関与も視野に捜査を進めている。

狙われる「命を救う道具」

犯人グループが標的にしているのは、油圧式スプレッダーやカッターといった専門的な救助工具だ。本来は交通事故の車両から負傷者を救出するために用いられるこれらの器具が、今や犯罪の道具として流用されている。警察によると、盗まれた機材はヨーロッパ各地で電子機器店や宝飾店への侵入、さらにはシャッターやATMの破壊に使われていることが確認されている。「救助者のもとではなく、犯罪者のもとに渡っている」と警察は強く警告する。

消防署のある指揮官はNOSの取材に対し、「こうした工具は人の命を救うためのものであり、盗難は救助活動に直接的な打撃を与える」と述べた。被害の深刻さは、単なる財産的損失にとどまらない。

防犯強化と現場のジレンマ

解決策として真っ先に思い浮かぶのは機材の施錠保管だが、消防当局はこれを否定している。緊急出動の際に錠を外す手順が加わるだけで救助活動に致命的な遅延が生じる恐れがあるためだ。命を守るための道具を守ることが、命を救う速度を犠牲にしかねないというジレンマは、現場の対応を一層難しくしている。

当局は現在、防犯カメラの増設やマジックミラー(スパイミラー)の設置といった、出動の妨げにならない形での警備強化策を検討中だ。在蘭の日本人コミュニティにとって直接の影響は限られるが、消防・救助体制の弱体化は地域の安全インフラ全体に関わる問題でもある。急増する侵入事件に対し、当局がどのような実効性ある対策を打ち出せるかが問われている。

情報源: NOS Algemeen

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