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政府が住宅建設加速へ50か所を選定――8年で70億ユーロを投資
政治・行政 読了 2分

政府が住宅建設加速へ50か所を選定――8年で70億ユーロを投資

年間10万戸目標の実現に向け、駅周辺の優良用地を優先開発

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オランダの住宅担当大臣エラノール・ブークホルト=オサリバンは、深刻化する住宅不足への対応として、全国50か所の建設候補地リストを策定したと発表した。政府が掲げる「年間10万戸の新築」という目標を現実のものとするための、具体的な行動計画の第一歩だ。

駅近の26か所を優先、最初の5都市はすでに確定

50か所のうち26か所は鉄道駅に近く、交通網やインフラがすでに整備されている用地で、比較的速やかに開発に着手できると政府はみている。第一陣となる開発地はマーストリヒト、ハールレム、レーワルデン、デーフェンテル、ウェールトの5都市に確定しており、さらに5か所が今年中に発表される予定だ。これら計10か所の開発は、いずれも2040年までの完成を目指す。

資金面では、今後8年間で総額70億ユーロを投資する方針で、このうち約30億ユーロが補助金として拠出される。2029年以降は、中間家賃帯の賃貸住宅を建設した民間投資家に対して、戸数に応じた助成金を支払う仕組みも導入される。また、新規住宅の3分の2を手頃な価格の住宅とし、少なくとも30%を社会住宅に充てることが求められる。

民間投資家の離脱をどう食い止めるか

政府が急ぎ足で動く背景には、民間投資家の撤退という切実な問題がある。家賃水準の算定基準を厳格化した「手頃な家賃法(Affordable Rent Act)」の導入や、資産所得課税「ボックス3」をめぐる長引く不確実性を受け、多くの投資家が賃貸用マンションを売却・撤退に動いている。今回の支援策には、こうした民間マネーをつなぎ止める狙いも込められている。

地方自治体への支援も盛り込まれた。国が財政リスクを一部負担するかたちで、基礎自治体が住宅用地を取得しやすくする仕組みが設けられる。許認可業務を担う職員については、自治体や州が正規換算で200人分の採用を行えるよう財政支援が行われる。さらに、審査が滞って身動きのとれなくなったプロジェクトを現地で立て直す専門家チームの派遣も計画されている。

楽観と懸念、両論が交錯する

一方で、慎重な見方もある。ラボバンクの住宅市場エコノミスト、ステファン・フロートはNRCの取材に対し、「規制変更の一部は既存計画への資金投入を増やす効果にとどまる。採算が合わないとして断念される開発案件も出てくるだろう」と指摘する。

ブークホルト=オサリバン大臣は「機能していることは続け、そうでないものは改革する。何をすべきかは明らかで、資金もあり、建設プロジェクトも十分にある。今は、設計図から基礎工事へと移る段階だ。政府だけでは実現できない。建設業者、投資家、自治体、州との連携が不可欠だ」と語った。

在蘭日本人にとっても、住宅市場の逼迫は家賃高騰や物件不足として日常的に実感されている課題だ。今回の政策が計画通りに進めば、中長期的には賃貸・購入を問わず市場の選択肢が広がる可能性がある。ただし、最初の開発完成が2040年を目標としていることを考えると、その恩恵が実感できるまでにはなお時間がかかりそうだ。

情報源: DutchNews

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