73歳のケース、アイセル湖200kmを1381回完走——天候など関係ない
普通の旅行者が1週間かける道を、彼は毎回1日でこなす
オランダ北部に広がるアイセル湖を一周するサイクリングルートは、全長およそ200キロメートル。多くの旅行者がこのルートを楽しむために1週間ほどの日程を組む、本格的なロングライドだ。ところがユトレヒト州在住のケース・スタフェニュイテル氏(73歳)にとって、それは「1日の仕事」に過ぎない。しかも彼はそれを、すでに1381回繰り返してきた。
雨でも、風でも、ペダルを踏み続ける
ケース氏のサイクリングに条件はない。晴れた夏の朝であろうと、北海からの強風が吹き荒れる秋の日であろうと、彼はアイセル湖畔へと向かう。「天気がどうであれ走る」というシンプルな哲学が、これだけの積み重ねを生んだ。オランダはサイクリング大国として知られるが、それでも200kmを日帰りで走りきる人物は決して多くない。ましてや73歳という年齢で、その距離を何度も繰り返すとなれば、話は別だ。
この姿勢は地域の人々の目にも留まっている。1000回目の完走を迎えたとき、ルート沿いの住民たちがケーキを手にケース氏の到着を待ち構えていたという。本人はNRCのインタビューでそのときのことをさらりと振り返った。「1000回目のとき、みんながケーキを持って出迎えてくれていたんだ」。その言葉には、大げさな感慨よりも、日常の延長線上にある達成感がにじんでいた。
オランダが愛するサイクリング文化の、ひとつの極致
アイセル湖一周ルートは、フリースラント州やノールトホラント州など複数の州にまたがり、風車や干拓地、小さな漁村といったオランダらしい風景が続く人気コースだ。毎年多くの国内外のサイクリストが訪れるが、大半は数日かけてのんびりと楽しむ。ケース氏のスタイルはその対極にありながら、オランダ人が自転車と結んできた深い関係性を体現してもいる。
NRCが毎週日曜日に配信する朗読コーナー「Luisterverhaal op zondag」でこのエピソードが取り上げられたことも、その普遍的な魅力を示している。淡々と、しかし確かに積み重ねてきた日々——オランダに暮らす日本人にとっても、自転車が単なる移動手段を超えた存在であることを改めて感じさせてくれる話ではないだろうか。ケース氏のペダルは今日も、アイセル湖畔の風の中を進んでいる。
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情報源: NRC


