メインコンテンツへスキップ
インド料理チェーンオーナーが人身売買疑惑で逮捕――制度の抜け穴を悪用
社会 読了 2分

インド料理チェーンオーナーが人身売買疑惑で逮捕――制度の抜け穴を悪用

約70人のインド人労働者が週60〜80時間働かされ、未払い賃金は総額400万ユーロ

この記事をシェア ✓ コピーしました

オランダ全土にインド料理レストランを展開するチェーンの共同オーナー2人が、人身売買の疑いで逮捕された。Europol(欧州刑事警察機構)とオランダ労働監督局による合同捜査の結果で、ユトレヒト、アムステルダム、デン・ハーグ、ヒルフェルスム、ホーフドルプなど各地の計8店舗が捜査対象となった。同じチェーンに関連した類似の疑惑は、ベルギー、ドイツ、ルクセンブルク、スイスにも及んでいるとされる。

「シェフ」として入国、実態は皿洗いと清掃

問題の核心は、オランダ政府が2019年に導入した「アジア料理専門シェフ向け簡易就労許可制度」の悪用にある。この制度はEU域外から熟練シェフを採用しやすくすることを目的としたものだったが、オーナーらはインドから採用した人材を「シェフ」として申請しながら、実際には清掃・皿洗い・給仕といった非専門職に従事させていたとされる。就労許可に定められた週38時間の上限を大幅に超え、被害者は週60〜80時間にわたって働かされていた。超過分の賃金は未払い、あるいは著しく過少に支払われており、Europolによれば未払い労働の総額は約400万ユーロに上る。

退職すれば罰金、家族への脅迫で口封じ

オーナーらは従業員の住居を手配することで生活面での依存関係を作り出した上で、契約期間中に退職した場合には罰金を科すと定めていたとされる。さらに労働監督局の報告書には、「インド国内に残る家族に対し、被害者をより懸命に働かせるよう圧力をかけ、チェーンの管理者への苦情申告を防ぐために暴力をもって脅迫した疑いがある」と記されている。こうした多重の拘束が、被害者が当局に通報することを困難にしていた。

制度廃止後も続く余波

オランダ政府はこの簡易就労許可制度を導入からわずか3年後の2022年に廃止した。廃止の引き金となったのが、2021〜2022年にかけて実施された50店舗への立ち入り検査だ。リスクが高いと判断された店舗では60%、無作為抽出の店舗でも45%が少なくとも1件のルール違反を犯していたことが確認されており、制度の構造的な問題が浮き彫りとなっていた。

今回の逮捕は、制度廃止後も続く被害の実態を改めて示すものだ。オランダ在住の外国人、特に飲食業界で働く人々にとっては、就労許可の条件や実際の業務内容の整合性を確認することの重要性を改めて認識させる事件といえる。労働条件に疑問を感じた場合は、オランダ労働監督局(Nederlandse Arbeidsinspectie)への相談窓口が設けられている。

情報源: DutchNews

この記事をシェア ✓ コピーしました

📩 無料メールニュース

明日のオランダニュースも、メールで読みませんか?

毎朝、その日のニュース要約と音声版(ポッドキャスト)が
メールで届きます。無料です。

無料で購読する

関連ニュース