食料備蓄は「3日分」から「8日分」へ——オランダで新たな提言
地政学リスクの高まりを受け、研究機関が大幅な引き上げを求める
オランダで、家庭における食料備蓄の目安を大幅に引き上げるよう求める提言が発表された。クリンゲンダール研究所とエラスムス大学が共同で実施した調査によると、オランダ国民は緊急時に備えて8日分の食料を自宅に確保しておくべきとされている。現行の政府指針が定める備蓄量は3日分であり、今回の提言はその2倍以上に相当する引き上げを求めるものだ。
なぜ今、備蓄量の見直しなのか
この提言の背景にあるのは、近年急速に高まる地政学的リスクと、自然災害やインフラ障害に対する社会全体の脆弱性への懸念だ。ウクライナ侵攻以降、欧州各国では市民の有事対応能力を見直す動きが相次いでおり、オランダも例外ではない。エネルギー供給の不安定化や大規模なサイバー攻撃のリスクが現実味を帯びるなか、物流や流通インフラが数日間にわたって機能不全に陥る事態も想定に含める必要があるとの認識が、研究者の間で広がっている。
クリンゲンダール研究所は国際関係・安全保障分野で知られるシンクタンクであり、エラスムス大学はロッテルダムを拠点とするオランダ屈指の総合大学だ。両機関の共同調査という形式は、この提言に一定の社会的重みを与えている。
現行指針との乖離と今後の課題
オランダ政府がこれまで市民に推奨してきた「3日分」という備蓄基準は、比較的短期の局地的な緊急事態を想定したものだった。しかし今回の調査が示す8日分という数字は、より長期・広域の危機シナリオを念頭に置いた水準と言える。提言が実際に政府の公式指針として採用されるかどうか、また市民への周知をどのように進めるかは、今後の政策判断に委ねられている。
オランダ在住の日本人にとっても、この提言は無関係ではない。日本でも「72時間の備え」が長らく防災の基本とされてきたが、近年は1週間分以上の備蓄を推奨する声が強まっている。オランダでの生活においても、水・食料・医薬品を含む8日分程度の生活物資を日頃から備えておくことが、今後の標準的な備えとなっていく可能性がある。行政からの正式な指針更新が出る前に、自身の備蓄状況を今一度確認しておくことが賢明だろう。
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情報源: NU.nl




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