オランダのジェンダー平等、またも順位低下——格差解消は2146年との試算
欧州内で際立つ遅れ、WEF年次報告書が示す厳しい現実
世界経済フォーラム(WEF)が毎年発表する「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」の最新版で、オランダの順位が再び下落した。同報告書はWEFが各国の男女平等の進捗を経済・教育・健康・政治参加の4分野で測定し、世界各国をランク付けするもの。オランダは欧州の主要国と比較しても依然として大きく後れを取っており、男女平等の分野における課題が改めて浮き彫りになった。
「格差解消は2146年」という厳しい試算
報告書が示す数字は衝撃的だ。現在のペースが続けば、オランダにおける男女間の格差が完全に解消されるのは2146年になるという。つまり、今から120年以上先のことだ。オランダ国内ではエマンシパシー(男女平等・解放)を重視する文化的な自負も根強いだけに、この試算はランキングの下落と合わせて社会的な議論を呼んでいる。欧州各国が着実に順位を上げるなか、オランダだけが取り残されている構図は、単なる統計上の数字以上の意味を持つ。
なぜオランダは遅れているのか
オランダの男女格差が縮まりにくい背景には、構造的な要因がある。最も指摘されるのがパートタイム労働の問題だ。オランダは世界的にもパートタイム就労率が極めて高く、その大多数を女性が占める。育児や家事の負担が依然として女性に偏りやすい社会構造が、女性のキャリア形成や賃金水準に直接影響しているとされる。政治参加の分野でも女性の比率は欧州平均に届いておらず、意思決定の場における存在感は限定的なままだ。経済・政治の両面で改善が進まないことが、総合スコアを押し下げる主因となっている。
在蘭日本人にとっての視点
日本においてもジェンダー平等は長年の課題であり、WEFの同じ指数で日本は毎年最下位圏に位置している。その意味で、オランダの状況は「進んだ欧州」というイメージとのギャップとして受け取る在蘭日本人も少なくないだろう。一方で、オランダ政府はエマンシパシー政策の強化を掲げており、保育施設の拡充や育児休業制度の見直しなど、制度面での改善努力も続いている。ランキングの低下が政策議論に拍車をかけるかどうか、今後の動向が注目される。
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