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「ネポベイビー」国家オランダ――2026年予算教書が示す富裕層優遇の実態
政治・行政 読了 2分

「ネポベイビー」国家オランダ――2026年予算教書が示す富裕層優遇の実態

過去の遺産を食いつぶし、若者・労働者世代には厳しい現実

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毎年9月の第三火曜日、オランダでは翌年度の予算案を国王が議会で読み上げる「プリンセスダハ(予算教書の日)」が開かれる。2026年度のミルユーネンノタ(予算教書)が発表され、NRCの経済記者マリケ・ステリンガとマールテン・スヒンケルはその内容を辛辣に評した。一言で言えば、「資産家には有利だが、働く世代や若者には不利」——これが今年の予算案の核心だという。

“遺産頼り”のオランダ経済

ステリンガ記者が持ち出したのが「ネポベイビー(nepobaby)」という比喩だ。本来は芸能界などで親の七光りで成功した人物を指す俗語だが、彼女はこれをオランダ経済に当てはめた。天然ガス収入やEU加盟の恩恵、歴史的な貿易立国としての蓄積——こうした過去の遺産の上にあぐらをかき、未来への投資を怠っているというわけだ。その証拠として挙げられたのが、新規企業の設立数の減少傾向である。スタートアップや新興企業が育ちにくい環境は、中長期的な経済活力の低下を意味する。現内閣がこうした成長の障壁に正面から向き合えているかについても、記者たちは懐疑的な見方を示している。

国家債務の「実態」と世代間格差

一方、スヒンケル記者はやや異なる角度から分析を加えた。オランダの国家債務は数字だけ見ると懸念材料に映るが、実態は見かけよりも健全だという。政府が保有する資産や年金基盤の厚みを考慮すれば、財政の余裕は数字が示す以上にあるとの見立てだ。ただし、それは現在の世代が過去の蓄積を享受しているにすぎないとも言える。若者世代にとっては、住宅価格の高騰や正規雇用へのアクセスの難しさなど、構造的な不利が積み重なっている。

オランダ在住者への影響

今回の予算案は、資産や不動産を持つ富裕層にとっては引き続き恵まれた環境を保証するものとなっている。しかし賃金所得が主な収入源である在蘭日本人を含む労働者層や、これからキャリアを築こうとする若者層にとっては、恩恵が薄い内容と言わざるを得ない。起業環境の悪化は、オランダで独立・創業を考える人にとっても無関係ではない。「遺産を食いつぶすネポベイビー」という辛辣な評価が政策論争を呼ぶなか、次世代への投資をめぐる議論は今後も続きそうだ。

情報源: NRC

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