メインコンテンツへスキップ
二重国籍法案、また延期――オランダで「平等」をめぐる亀裂が深まる
政治・行政 読了 2分

二重国籍法案、また延期――オランダで「平等」をめぐる亀裂が深まる

12月7日に審議先送り、帰化外国人への適用は不透明なまま

この記事をシェア ✓ コピーしました

D66とPvdA(労働党)が共同提出した二重国籍法案は、成立すれば在外オランダ人が外国籍を取得した場合にオランダ国籍を保持できるようになるほか、オランダへの帰化を希望する外国人が元の国籍を手放さずに済む道も開かれる。法案そのものは10年近い歴史を持つ古参案件だが、昨年あらためて議会に持ち込まれた。当初は6月に審議が予定されていたが、まず10月に延期され、さらに今回、12月7日へと先送りされた。二度にわたる延期が示すのは、この法案が単なる手続きの問題ではなく、オランダ社会の深い亀裂を反映していることだ。

VVDが突きつける「忠誠」の壁

法案の行方を左右しているのが、現連立与党・VVDの強固な反対姿勢だ。同党のBente Becker議員は、ハーグで開かれた在外オランダ人支援団体SNBNの年次イベントで立場を明確にした。「オランダに来るなら、本当にオランダを選ばなければならない」と述べ、外国人が二重国籍を望む動機には安全保障上のリスクが潜みうると警告した。「オランダ市民権は非常に特別なものだ」とも強調している。CDAも同様の見解をとるとされており、VVDとCDAが反対姿勢を崩さない限り、法案の可決は見込めない。D66のJan Schoonis議員は、外国人向け条項を削除する用意があるかを問われても「在外オランダ人の話をしに来た」とかわすにとどまり、明言を避けた。

法の平等をめぐる専門家の懸念

現行制度でも、すでに約半数の帰化者が「オプション制度(optieregeling)」を活用し、元の国籍を保ちながらオランダ国籍を得ている。対象となるのは、オランダ人と結婚して長年居住している人や、65歳以上の長期在住者、あるいは18歳まで国内で育った子どもたちだ。しかし残る半数は通常の帰化手続き(naturalisatie)を経るしかなく、元の国籍を放棄することを義務づけられている。この非対称な扱いについて、法律専門家は憲法上の平等原則に反すると批判する。政府の最高法律顧問機関である国家諮問院(Raad van State)も、生まれながらのオランダ人と帰化者を異なる扱いにすることは違憲にあたりうると勧告している。

在蘭外国人への影響

マーストリヒト大学が2017年に行った調査によれば、オランダ人は自国民が海外で二重国籍を持つことには比較的寛容である一方、移民がオランダ国籍と元の国籍を併せ持つことには否定的な傾向がある。その後、極右政党の台頭によって社会の空気はさらに変化しており、状況が改善しているとは言いがたい。外国人向け条項が法案から切り落とされた場合、帰化を検討しながら元の国籍の維持を望む在蘭外国人にとっては、状況が変わらないどころか道が狭まることになる。12月7日の審議の行方は、オランダで暮らし、税を納め、社会に貢献しながら「もう一枚のパスポート」を選択肢として持ちたいと考える多くの人々の将来に直結する問題だ。

情報源: DutchNews

この記事をシェア ✓ コピーしました

📩 無料メールニュース

明日のオランダニュースも、メールで読みませんか?

毎朝、その日のニュース要約と音声版(ポッドキャスト)が
メールで届きます。無料です。

無料で購読する

関連ニュース