夜のロッテルダムはサーキットと化す——市が「交通迷惑行為」に本格戦線を張る
封鎖しても30分で元通り。恒久解決策は「自動車フリー化」か
夜が更けるにつれ、ロッテルダム中心部のメント通りの様相は一変する。ショッピングナイトになると、全国各地から乗り付けた車やバイクが「bumper aan bumper(バンパーとバンパーが触れんばかり)」に連なり、急加速の爆音とクラクションが街中に響き渡る。市の取り締まり担当モビリティアドバイザー、マルコ・スタウト氏は「高い建物、広い道路、そして水辺——ロッテルダムはこうした行為を見せびらかすのに格好の舞台だ」と語る。警察が車のナンバーを照合すると、運転者はロッテルダム市内だけでなく「全国各地」から集まっていることが判明した。
封鎖しても「いたちごっこ」
市は今夏、道路の一部を柵で封鎖し、交差点に交通整理員を配置する取り締まりを強化した。担当チームリーダーのサイフ・ハディル氏によれば、ある夜1時間で確認した違反者は6件にとどまり、「以前よりずっとましだ」と評価する。しかし状況は楽観を許さない。「封鎖の柵を外した途端にSnapchatで拡散し、30分以内に元通りになる」とハディル氏は言う。一部のドライバーはすでに逆走路を見つけ出し、柵を迂回して進入することを覚えてしまった。ノールデレイランド地区では週4日交通整理員を配置し、デ・エシュ地区では市長が夜間立入禁止令という強硬手段を導入した結果、当該地区は落ち着きを取り戻した。それでも市の担当者は「これは火消しに過ぎない」と認める。
騒音対策の新たな試みとして、80デシベルを超えると自動的に記録する騒音カメラの試験運用も始まっている。ただし、収集したデータが法的証拠として十分かどうかはまだ不透明な部分が多く、本格活用への道のりは遠い。
根本解決は「自動車フリー化」——新連立政権が目指す都市改造
市当局が「恒久的な解決策」として注目するのが、通りの構造そのものを変えることだ。今年発足したProやD66、VVD、CDA、Voltによる新連立政権は、メント通りやウィッテ・デ・ウィズ通りを含む5本の通りを自動車フリーにする計画の検討を掲げている。スタウト氏は「実現すれば中心部の景観は根本的に変わる。レースをしようにも事実上不可能になる」と期待を込める。
戦後の復興でいち早く「自動車の街」として設計されたロッテルダムで、これほどの政治的合意が形成されつつある背景には、住民や店舗経営者からの苦情が積み重なってきた事情がある。一方で、LeefbaarロッテルダムやDENKは反対を表明しており、議論は続いている。実務面でも「完全な自動車フリーではなく、自動車の少ない(autoluw)状態が現実的」との見方が庁内では強く、緊急車両のアクセス確保も不可欠な条件だ。担当者は「道路に単純に木を植えるわけにはいかない」と現実の複雑さを認める。
夜のメント通りで若者たちに話を聞くと、「騒音を出すなら市外でやる」と語る者もいれば、「一度くらいのアクセルは仕方ない」と漏らす者もいた。スタウト氏の言葉が印象的だ。「彼らは夜のクラブや飲み屋ではなく、路上でつながる新しい遊び方をしている」。在蘭日本人にとっても、夜の市中心部を歩く際の安全性や騒音環境に直接関わる問題だ。自動車フリー化が実現するかどうかは、ロッテルダムの夜の顔を大きく塗り替えることになる。
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情報源: NRC


