ロングコビッドを理由に昨年4人が安楽死――オランダ審査委が報告
推計40万人が苦しむ中、研究資金の継続も課題に
オランダの地域安楽死審査委員会は、2025年にロングコビッド(長期コロナ後遺症)を主な理由として4人が安楽死を選択したと報告した。最年少は51歳で、残る3人はいずれも65歳以上だった。さらに別の6件では、ロングコビッドが安楽死の決定に関与していたものの、主因ではなかったとされている。
重篤な後遺症が日常生活を奪う現実
オランダでは現在、推計40万人がロングコビッドに苦しんでいるとされる。その多くは重篤な症状を抱え、就労はおろか、ごく普通の日常生活を送ることさえ困難な状況に置かれている。倦怠感や認知機能の低下、慢性的な痛みなど、症状は多岐にわたり、完治の見通しが立たないケースも少なくない。オランダ保健評議会は今年、政府に対してロングコビッドを取り巻く状況の明確化と、患者支援の一層の強化を求めるよう勧告している。
研究資金の打ち切りと財団の独自調達
治療法の開発という面でも、状況は楽観できない。政府が拠出していた4,000万ユーロの研究資金が終了したことを受け、ロングコビッド財団は独自に資金調達に乗り出した。集まったのは50万ユーロで、7人の研究者に配分し、治療法の研究を継続させているという。先月には財団主導による全国的な研究・調査センターも設立されており、民間主導で科学的な取り組みを支える体制が整いつつある。
在蘭日本人にとっての意味
オランダは世界でも安楽死制度が整備された国のひとつであり、「耐えられない苦しみ」が医師によって確認された場合に限り、法的に認められている。今回の報告は、ロングコビッドという比較的新しい疾患がその要件を満たし得ることを改めて示した。在蘭日本人の中にも後遺症に悩む人はいるが、治療の選択肢や支援制度の現状については、引き続き注視が必要だ。政府資金の撤退と民間による穴埋めという構図は、公衆衛生政策のあり方にも問いを投げかけている。
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情報源: DutchNews


