ProRail、今年も鉄道大規模障害の上限超え確実――2027年も改善見通せず
ビーバーや極端な気象も原因に、予防保守とスマートカメラで対策急ぐ
オランダの鉄道インフラ管理会社ProRailは、2025年の大規模障害件数が政府との合意上限である年間520件を超える可能性が高いと明らかにした。同社のトップであるMirjam van Velthuizen氏が地元紙ADに語ったもので、今年だけでなく2027年についても上限超えを避けられないとの見通しを早くも示している。
8月末時点で391件、罰金リスクも現実に
ProRailの予測によると、今年の大規模障害件数は508件から573件に達する見込みだ。8月31日時点ですでに391件を記録しており、年間上限の520件を下回るのは「現実的ではない」と同社は判断している。上限を超えた場合は罰金が科される仕組みになっており、昨年は586件の障害が発生して275万ユーロの罰金が科された実績がある。
今年6月29日には、ロッテルダム近郊でケーブル火災が発生し、ロッテルダム〜ドルドレヒト間の列車運行が1週間以上にわたって停止する事態となった。ケーブルの折れ曲がりによる短絡が原因で、こうした技術的トラブルが大規模障害の一因となっている。
ビーバー、極端な気象、線路への無断立ち入り
ProRailが直接対処しにくい外的要因も多い。線路への無断立ち入りや自殺のほか、ビーバーやアナグマが路盤を掘削して地盤を弱体化させるケースも報告されており、最悪の場合は線路の陥没リスクにつながる。
気象の影響も無視できない。5月と6月の3週末に発生した激しい雷雨では16件の大規模障害が集中し、1月の降雪と凍結では12件が年間集計に加算された。Van Velthuizen氏は「線路の利用が年々増加しており、一つの障害が即座に大きな影響を及ぼす。極端な気象の頻度も高まっている」と現状を説明する。
スマートカメラで成果、でも構造的課題は残る
一方で、技術的な対策が着実に成果を上げている面もある。スマートカメラと監視システムの導入により、銅線の盗難を起因とする大規模障害は今年これまでのところゼロを記録している。また、線路沿いへの柵・カメラ・特殊な侵入防止マットの設置が進んだ区間では、線路上での自殺件数が45%減少したという。
ProRailは今後も予防保守の強化とスマートインフラへの投資を続ける方針だが、Van Velthuizen氏が2027年の上限超えも認めていることからも分かるように、短期間での劇的な改善は見込みにくい状況だ。毎日鉄道を利用する在蘭日本人にとっては、遅延や運休が今後も一定頻度で発生することを前提に、代替交通手段の確認など日常の備えを意識しておくことが現実的な対応となりそうだ。
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情報源: NOS Algemeen


